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オペラ傑作歌唱で初笑い:ターフェル(ヴォータン)のGeh'! ☆ ロメオ(ベチャラ)のハイC失敗...

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明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 YouTubeでなんとなく見つけてしまったものですが、何度聞いても笑ってしまいます。前にも取り上げたことのあるイタリアRai3のラジオ番組"La Barcaccia"、話題のオペラ公演の紹介とか、オペラ歌手をゲストに招いたり、電話インタビューしたり、また、"perlae nere"というコーナーでは、ケッサク歌唱を放送したりしている、さすがイタリアと言える番組なんですが、この"perlae nere”で取り上げられたものから、特に面白かったものを二つ。偶然にも両方ともメトの公演です。

1.ターフェルのヴォータン (メト20011.6)
2.ベチャラのロメオ(メト2011.3)

☆参考:
グリゴーロのロメオ:LAオペラ(2011.10)
G(ソ)のままでハイCに上げていない
指揮は両方ともドミンゴ

↑普段はこの程度の"Geh'!"

ちょっと説明:
☆ブリン・ターフェルのヴォータン
 ヴォータンが、ジークムントを殺したフンディングに向って「Geh'.....行け」と言う場面、最初の「行け」はつぶやくように、2回目の「Geh'! 行け!」は威圧するように....かな....その2回目の"Geh'!"、きっとフンディングはこの声で即死でしょうね。司会者の大笑いにつられて笑ってしまうのかとも思いましたが、何度聞いても笑っちゃいます。

☆ベチャラのロメオ:グノーのRoméo et Juliette 3幕フィナーレ
 怒りにかられてティボルトを殺してしまったロメオに所払いが宣告され、"もう一度ジュリエットに会いたい! je veux la revoir! "と叫ぶ場面で、どうやら、最後のソをハイCに上げて歌うのが慣例のようなんですが、そのハイCが完全に裏返ってしまって、ラジオで聞くと笑えます。(舞台を見に行った方は会場が一瞬凍り付いたとか...完全な失敗を笑う人はいませんからね)
 ちなみに、ヴィットリオ.グリゴーロは、6月にスカラ座、10月にはLAオペラでロメオを歌っていますが、ここは、あえてハイCに上げていません。私の見た楽譜はハイCはありませんし.....グリゴーロのロメオは歌唱面でも非常に好評なんですが、トロヴァトーレの "Di quella pira l'orrendo foco"と違って、ここをハイCに上げないことを批判するレビューは全くありませんでした。それなのに、ベチャラはどうして無理をするんでしょうか......? 参考までに同じ部分の歌唱をアップしました。

関連記事:
スチュアート・ニール、ハイCの着地に失敗しました! "Di quella pira l'orrendo foco"
ゲオルギューとグリゴーロ★☆Rai3のラジオ番組"La Barcaccia"
マリーナ・ポプラフスカヤの"Sempre libera"のケッサク歌唱(メト2011.1.15の椿姫)

ボエームの聞かせどころ「冷たい手 Che gelida manina」がこんなことに.....

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 ハイCがあることでもよく知られているテノールの超有名なアリア冷たい手 Che gelida manina」は、ハイCを敬遠して、移調して歌うことでもよく知られています。このアリアについては、「"冷たい手 Che gelida manina"の半音下げの移調は誤摩化し、賞味期限のつけかえみたいなもの...」という記事を書いていますので、参考にして下さい。

 さて、今日の本題、2007年2月25日、チューリヒ歌劇場での公演でのアクシデントです。ロドルフォは、マルセロ・アルバレス、彼は、この時、オリジナルではなく移調して歌うことにしたようですが、オーケストラのライブラリアンのミスでしょうか......交流ブログのMadokakipさんがこんな珍録音をお知らせ下さいました。ミミはノルマ・ファンティーニ 、指揮はカリニャーニ、みんな???だったでしょうね。

 ところで、移調する場合は、アリアのはじめ"Che gelida manina....."から半音下げて歌うのが一般的?かと思っていましたが、アルバレスは、"Che gelida manina....."とオリジナルのキーで歌い始めて、途中の転調するところで移調することにしていたんですね。私は、こういうのは初めて聞きました。もしかしたら、オケもはじめてだったんでしょうか.....それでこんなことになったとか......

 これは、マルセロ・アルバレスがロドルフォを歌った初日(2007.2.25)の事件ですが、チューリヒ歌劇場の記録によれば、その後2月28日、3月4,9日とアルバレスが歌っています。(Archiv: Spielplan 2006/2007)

参考:La Bohème スコア 66〜67頁 Des→As(G)

関連記事:
2009年お正月お遊び企画:《ボエーム》から、ロドルフォのミミ〜!....ミミ〜
メト《ボエーム》ベチャラ&ネトレプコ☆オリジナル"Che gelida manina 冷たい手"
フリットリ&グリゴーロの《ボエーム》チューリヒ (2009.10.18〜11.3)
チューリヒの《ボエーム》は、グリゴーロショー!だった....って....?/チューリヒ歴代のミミとロドルフォ

歌手の歯列矯正:ヨナス・カウフマンの歯にブラケットが......

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◎メトのワルキューレの尋常ではないジークムント=カウフマンのよだれは、どうでもいいことですが、もしかしたらこの透明矯正ワイヤーをつけたままだったせいなのでは....と上の歯がアップになるところを注目して見てみましたが、やっぱりワイヤーつけたままみたいです。録画した方、「ヴェルゼ〜」のところを見てみてください。(2012.1.22)

 ネットを徘徊していて、オペラファンの間では有名な"Intermezzo"さんのブログで、吃驚写真を発見。日本でもなにかと話題のヨナス・カウフマンの写真(10月24日ロンドンのコンサート)がいっぱい........なんですが.....なんと歯に矯正ブラケットというかワイヤーが......えぇーーーいつのまにか歯の矯正をしてるではないですか......もしかして、これが(も)ボローニャとバイエルンの来日中止の原因だったのかも......いつ頃から矯正をはじめたのか分かりませんが、11月末のメトの「ファウスト」までにはきれいな歯になる予定なんでしょうね。そういえば、8月のネトレプコ&シュロット夫妻とのコンサートで、ネトレプコがカウフマンにキスしたら血が出た....ということがあったんですが、これって歯に金具を装着してたからだったのかも......
 しかし、カウフマンは、ピカピカのきれいな歯という印象はまったくないですけど、歯並びは悪くなかったですよ......ね.....それを今更矯正って......でも、この写真はあきらかに「すきっ歯」...ということはすきっ歯の矯正ってことでしょうか。もしかしたら、映画にでも出る予定があるのかも.......しかし、歌いにくいということはないんでしょうか。コンサートは素晴らしいできだったようです。
参考:2009年ベルリンの「トスカ」の時の写真

 私が、写真とか映像をじっくり観察しているのは、ルッジェーロ・ライモンディとヴィットリオ・グリゴーロなんですけど、二人ともきれいな歯をしています。でもライモンディは、30才くらいまでは、普通にしているぶんには全然分かりませんが、笑うと右の八重歯がちょっと目立っていましたが、いつのまにかそれがきれいになってます。多分、映画に出るために矯正したのではないかと思います。

 グリゴーロは、映画監督も「矯正して下さい」とは言わないくらいのピッカピッカのきれいな歯をしていますが、今まで歯医者さんに行ったことがないそうです。うらやましい! インタビューで次のように話しています。

「......最大のチャレンジはカメラに適応することでした。オペラ歌手であることは、30メートル先まで観客がいるということです。ですから、劇場では、 目も口も大きく開けて、事柄を激しく誇張する感じですが、カメラの前ではそれではうまく行きません。やり過ぎです。いつも心臓が激しく鼓動しているようで はだめなのです。カメラはすべてを映してしまいますから。今日ではHDで、口の中の昨日の歯の治療の跡さえ見えてしまいますから。だから、注意しなければ なりません。でも、僕は今まで歯医者にかかったことはありませんから(笑)
(MZ: ラッキーですね。)
そうですね、ええ。それでも、この仕事をやったことは評価されると思います。マントヴァでは、カメラの前で映画レベルでもっとリアルに、もっと信ずるに足るようにするために、大げさな身振りをしないのは、劇場で用いている過度なことすべてに頼らないようにするのは、とても難しかったですね。だから他の人たち、プラシドやライモンディをじっくり観察しました、彼らがどうやっているか、どう演じているかを。」
インタビュー全文はこちら....Vittorio Grigolo パリで仏語インタビュー(Marc Zisman 2010.9.21)

関連記事:ベルリンの《トスカ》 ヨナス・カウフマンの" Vittoria! Vittoria!"★☆これで、あなたもカウフマン通

フランチェスコ・メーリがトロヴァトーレのマンリーコ! ....なんだ半音下げか〜

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 昨年2011年の12月フェニーチェで、フランチェスコ・メーリ(Francesco Meli1980-ジェノヴァ生)が弱冠31歳でマンリーコを歌いました。あのスチュアート・ニールStuart Neill とダブルキャストだったんですが、私は、興味津々、内心歌えるの?どうぜキャンセルするんじゃないの....と思っていましたが、予想に反して、ちゃんと歌いました......なんでも前々から本人が歌いたかったんだそうです。
 メーリは、日本でもコンサートを開催したりしているからか知名度も高いので、どんなものだったか聞いてみたい方もいるのではないかと思います。残念ながら放送はなかったんですが、オペラ番組で取り上げていましたので、"Di quella pira "のさわりの部分だけですがアップします。ロールデビューでしかも若いのに、「半音下げ」てます。前半はしっかり落ち着いて歌っていますが、最後の"ararmi,ararmi,ararmi!"の部分が、急に録音レベルが低くなっているとはいえ、しょぼい。比較のため、グリゴーロの正調"Di quella pira"の同じ部分をアップします。
★フランチェスコ・メーリ/2011.12
♪ iPhone/iPad用mp3

★ヴィットリオ・グリゴーロ:"The Italian Tenoe"
♪iPhone/ iPad用mp3
 トロヴァトーレのマンリーコは、若い時から歌うテノールさんもいるんでしょうが、一般的に、40過ぎてから歌うもののようです。パヴァロッティもそう言ってますし、ヴィットリオ・グリゴーロもCDでは"Di quella pira "を録音しましたが、「実際に歌うのは15年先かな....今は1公演なら歌えるかもしれないけど、まだ無理...」とか言っています。オテロは絶対歌わない役と断言していましたが、マンリーコはいつかは歌うつもりがあるようです。ちなみにメーリはオテロも視野に入れているようです....「仮面舞踏会」もすでに歌ったんですね。2010年にメトデビューだった「リゴレット」でこけて、リベンジのチャンスがあったのに、メトからしっぽ巻いて逃げちゃった過去があるんですけど、イタリアではなぜかあまり批判されないタイプの歌手のようですから、まわりにつぶされることはないのでしょうけど.....

関連記事:
スチュアート・ニール、ハイCの着地に失敗しました! "Di quella pira l'orrendo foco"
アラーニャ、クーラ、アルバレスの "Di quella pira "も聞けます。

l'opera"12月号 No.253:スカラ座《カルメン》 メト《リゴレット》《ホフマン物語》
メーリのマントヴァ公爵不調?で不評

オペラの!?!?話題:ボチェッリがロメオ! ☆ ドミンゴ、新バリトンロール

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オペラの話題その1:
 それほど吃驚でも??でもない方の話題からいきます。プラシド・ドミンゴ(Plácido Domingo,1941.1.21 - )が、また新しいバリトン役に.....先日LAオペラの来シーズンの発表がありましたが、「二人のフォスカリ」のドージェを歌うそうです。息子役はフランチェスコ・メーリを予定しているようです。
 71才のドミンゴは次のように述べています。"I'm looking for tenor parts and some new baritone parts, ........I'm also looking for parts closer to my age. All the young lovers tend to be tenors."
 ちなみにバリトンロールのシモン、リゴレットと、スペイン語オペラ?サルスエラ?の「 Il Postino」のDaniel Catán(これってバリトンなのかな...よくわからないが、郵便配達の人がテノールだからバリトンかな)を含めて、134役達成してます。間違っていたら教えて下さい。来シーズンのようですが、メトで「椿姫」のパパ・ジェルモンを歌う予定もありますし、どこまで記録がのびるか......
 頑張れドミンゴと好意的な声も多いのですが、そろそろ.....という声もあります。いい加減に引退をお勧めしたい三大歌手として、「ドミンゴ71、ブルゾン76、グルベローヴァ65」をあげているオペラファンもいるようです。

☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆

オペラの話題その2:.
 アンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli、1958.9.22- )がロメオ.....グノーの「Roméo et Juliette」ですよ。これには吃驚、唖然、なぜ、なぜ、なぜ、いい加減にやめて!としか言いようがない。それにしても、やらせる劇場(ジェノヴァのカルロ・フェリーチェ)も劇場、指揮者も指揮者、慈善事業と割り切っているのか、商業主義なのか.....伝統が泣きますよ。それにしてもボチェッリのオペラ歌いたい病は、直る気配もありません。何をするのも自由ですが、演奏会形式でやるくらいの謙虚さは必要じゃないですか。興味のある方は、右のリハーサルの動画をどうぞ.....ぜんぜん面白くない.....ね。一応ダブルキャストでロメオは、ボチェッリとホセ・ブロス....見た目はどっちもどっちですけど....ボチェッリのファンは、オペラは歌って欲しくないのではと思いますけど....日本人にもボチェッリの追っかけがいるようですけど、どうなんでしょうね。今更言うまでもないですが、私の一押しのロメオはこちらです。(キャスト詳細)

関連記事:
「ボチェッリとオペラ」
驚異の122ロール!プラシド・ドミンゴ(3)
驚異の122ロール!プラシド・ドミンゴ(2)
驚異の122ロール!プラシド・ドミンゴ(1)

スカラ座今後の予定: ヴェルディ生誕200周年記念企画 2013-2014開幕公演「椿姫」(2012.2.10 発表)☆ スカラ座「椿姫」公演記録

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◎続報:(2012,2,17追記)
 別の記事 "La Scala fino al 2015"によれば、2013年開幕公演の「椿姫」は、ディアナ・ダムラウ Diana Damrauとはっきり書いてあります。現時点でダムラウはまだヴィオレッタは、レパートリーではありませんが、メトの来シーズン予想情報でダムラウがヴィオレッタ(ドミンゴがパパ・ジェルモン)でした。
 他の新情報として、2013-2014シーズンに、ホモキ演出、ブリンターフェル主演の「オランダ人」、それから2015年には、La trilogia popolare(リゴレット、トロヴァトーレ、トラヴィアータ)、Expo 2015の5月から10月の六ヶ月間、スカラ座では、連日公演を行うそうです。イタリアオペラの再演も含めて17作品、まず5月の開幕は、新演出でシャイー指揮、レンホフ演出、シュテンメ主演「トゥーランドット(ベリオ版)」、それから、Giorgio Battistelli作曲の「不都合な真実 An Inconvenient Truth」、バレンボイム指揮の「オテロ」、閉幕は、エサ=ペッカ・サロネンEsa-Pekka SalonenのNyx(Wayne McGregor振付けのバレー)と「青ひげ公の城」(Carlo Lanfossi)。以上ですが、元記事が、だらだら書いてあるので間違いがあるかもしれません。(2012,2,17追記)

以下2012,2,16記載
 2月10日に、スカラ座のリスネル総裁がヴェルディ生誕200周年を記念して、2013〜14年にヴェルディの作品、新演出6、再演2作品を上演すると発表しました。
記事はこちら Scala/ Da 'Traviata' a 'Macbeth', sei nuovi Verdi per il 2013

新演出:
1956scaka_callas.jpg1.「椿姫」ダニエレ・ガッティ指揮
 ディミトリ・チェルニアコフ演出 2013年開幕公演
2.「ファルスタッフ」ダニエル・ハーディング指揮  
 ロバート・カーセン演出
3.「ナブッコ」ニコラ・ルイゾッティ指揮
 ダニエレ・アバド演出
4.「オベルト」バッティストーニ指揮
 マリオ・マルトーネ演出
5.「マクベス」ヴァレリー・ゲルギエフ指揮
 ジョルジョ・バルベリオ・コルセッティ演出
6.「仮面舞踏会」ダニエレ・ルスティオーニ指揮
 ダミアーノ・ミキエレット演出

再演:
1.「ドン・カルロ」ファビオ・ルイージ指揮
2.「アイーダ」ジャナンドレア・ノセダ指揮

その他の発表:
2014年マリオ・マルトーネ演出「トロヴァトーレ」
ミラノエキスポ2015(2015.5.1〜10.31)のために「椿姫」新演出
2014年開幕公演は、バレンボイム指揮「フィデリオ」
ということは、またもやドイツものに逆戻り

参考:最近のスカラ座開幕公演:
2006アイーダ、2007トリスタンとイゾルデ、2008ドン・カルロ、2009カルメン、2010ワルキューレ、2011ドン・ジョヴァンニ、2012ローエングリン、2013椿姫、2014フィデリオ
☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆
 一番のヘェ〜ほんとに...大丈夫なの〜は、2013-2014シーズンの開幕公演が「椿姫」だということです。スカラ座の開幕公演にふさわしいヴィオレッタって.....ちょっと思いつきません....ゲオルギュー、ネトレプコ....もっと若手で誰かいるかなぁ.....まさかのデヴィーア....危険を避けて誰も知らない新人にするのか。アルフレードは、ヴィットリオ・グリゴーロが、最有力候補でしょうね。これはグリゴーロがOKすればOKだと思います。パパ・ジェルモンは、プラシド・ドミンゴのような気がします。開幕公演までにはメトでロールデビューしてますし。
 リスネル総裁は、以前、2010年の開幕公演は、バレンボイム指揮、カーセン新演出、ネトレプコの「ルチア」と口をすべらせたことがあります。しかもエドガルドはグリゴーロのはずだったんですけど......結局2010年の開幕公演はワルキューレ、2011年の開幕公演の「ドン・ジョヴァンニ」が、カーセン新演出でネトレプコの10年ぶりのスカラ座出演となったわけです。
 ということで、「椿姫」が本当に開幕公演なのかは、半信半疑ですが、スカラ座の「椿姫」といえば、マリア・カラス後は、1964年カラヤンとミレッラ・フレーニで天井桟敷が騒いで失敗、その後、上演されることがなかったわけですが、1990年ムーティが、美男美女でやるぞ〜....と若手のティツィアーナ・ファッブリチーニとロベルト・アラーニャを起用したことがよく知られています。最近までちょいちょいこの1990年のリリアナ・カヴァーニ演出の椿姫が上演されていますが、Archivio La Scalaで「椿姫」を調べてみました。

★1950-1951シーズン(7公演)
ヴィクトル・デ・サバタ指揮
マリオ・フリジェリオ演出
1951年2月3,8,11,14,18, /3月3,10
レナータ・テバルディ/Lina Aimaro Bertasi
ジャチント・プランデッリ
ジュセッペ・ダッデイ
*テバルディは初日だけであとは降板

★1954-1955シーズン(3公演)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
ルキーノ・ヴィスコンティ演出
1955年5月28,31,6月5
マリア・メネギーニ・カラス
ジュセッペ・ディ・ステファノ/ジャチント・プランデッリ
エットーレ・バスティアニーニ

★1955-1956シーズン(17公演)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
ルキーノ・ヴィスコンティ演出
1956年1月19,23,26,29,2月2,5,18,26,3月9,
4月5,14,18,2125,27,29,5月6
マリア・メネギーニ・カラス
ジャンニ・ライモンディ
エットーレ・バスティアニーニ/A・プロッティ/A・コルツァーニ

DE SABATA, TEBALDI, PRANDELLI


ETTORE BASTIANINI, MARIA CALLAS
★1964-1965シーズン(3公演)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
フランコ・ゼッフィレッリ演出
1964年12月17,20,22
ミレッラ・フレーニ/アンナ・モッフォ
レナート・チオーニ
マリオ・セレーニ
*ゼッフィレッリの自伝に詳しく書かれていますが、リハーサル中からフレーニにいやがらせがあったりして初日から大騒ぎで、二日目には、パラシュートをつけた子猫が飛ばされるという事件があり、ついにフレーニは降板、三日目はアンナ・モッフォが立ったが3公演で中止となった

FRANCO ZEFFIRELLI, MIRELLA FRENI
★1989-1990シーズン(13公演)
リッカルド・ムーティ指揮
リリアナ・カヴァーニ演出
1990年4月21,24,27,29,5月2,5,6月22,23,27,28,30,7月2,4
ティツィアーナ・ファッブリチーニ/J・デヴィヌー他1名
ロベルト・アラーニャ/Fernando de la Mora
パオロ・コーニ/パオロ・ガヴァネッリ
*ムーティが、美男美女でやるぞ〜と26年ぶりに「椿姫」を上演

FABBRICINI, MUTI,CAVANI
★1990-1991シーズン(4公演)
リッカルド・ムーティ指揮
リリアナ・カヴァーニ演出
1991年4月24,26,27,28
ティツィアーナ・ファッブリチーニ/ジュシー・デヴィヌー
ロベルト・アラーニャ/ヴィンチェンツォ・ラ・スコラ
パオロ・コーニ/ホアン・ポンス

TIZIANA FABBRICINI,ROBERTO ALAGNA
★1991-1992シーズン(7公演)
リッカルド・ムーティ指揮
リリアナ・カヴァーニ演出
1992年3月31,4月2,4,7,8,10,6月10
ティツィアーナ・ファッブリチーニ/ジュシー・デヴィヌー
ロベルト・アラーニャ/ヴィンチェンツォ・ラ・スコラ
パオロ・コーニ/ホアン・ポンス
*映像も残されているがDVD化されていない
★1994-1995シーズン(4公演+6公演)
リッカルド・ムーティ指揮
リリアナ・カヴァーニ演出
1995年5月26,28,31,6月2
ティツィアーナ・ファッブリチーニ
ラモン・バルガス
パオロ・コーニ/ホアン・ポンス
*6月2日は、オーケストラのストのため、ムーティがピアノで伴奏

☆日本公演:1995年9月6,9,12,16,18,20
ティツィアーナ・ファッブリチーニ
ヴィンチェンツォ・ラ・スコラ/ラモン・バルガス
パオロ・コーニ/ホアン・ポンス

★1996-1997シーズン(5公演)
リッカルド・ムーティ指揮
リリアナ・カヴァーニ演出
1997年10月18,21,23,25,27
アンドレア・ロスト/パトリツィア・チョーフィ(代)
ジュセッペ・サバティーニ
(レナート・ブルゾン)ロベルト・フロンターリ



スカラ座日本公演
★2000-2001シーズン(4公演)
リッカルド・ムーティ指揮
リリアナ・カヴァーニ演出
2001年3月10,13,15,17
アンドレア・ロスト
ジュセッペ・サバティーニ
ロベルト・フロンターリ

ANDREA ROST,GIUSEPPE SABBATINI,
★2001-2002シーズン(6公演)
リッカルド・ムーティ指揮
リリアナ・カヴァーニ演出
2002年1月19,22,25,27, 10月14,17
インヴァ・ムラ/ドイナ・ディミートリゥ
マルセロ・アルバレス/G・サバティーニ/M・ジョルダーニ
ロベルト・フロンターリ/アンブロージョ・マエストリ

INVA MULA, MARCELO ALVAREZ
★2006-2007シーズン(12公演)
ロリン・マゼール指揮
リリアナ・カヴァーニ演出
2007年7月3,5,7,9,11,12,14,16,17,19,20,21
アンジェラ・ゲオルギュー/I・ルング/E・モシュク
ラモン・ヴァルガス/M・ジョルダーノ/J・カウフマン
ロベルト・フロンターリ/L・ヌッチ/G・ガグニーゼ
*ヨナス・カウフマンは3公演に出演、すべてゲオルギューと共演、この頃は、ゲオルギューお気に入りのテノールだった...
DVDは、ゲオルギュー、バルガス、フロンターリ
★2007-2008シーズン(10公演)
カルロ・モンタナロ指揮
リリアナ・カヴァーニ演出
2008年6月3,5,7,9,12,17,20,2325,,27
マリエッラ・デヴィーア/イリーナ・ルング
ホセ・ブロス/マシュー・ポレンザーニ/ジュセッペ・ジパリ
レナート・ブルゾン/ウラジミール・ストヤノフ
*マルセロ・アルバレス主演の「アンドレア・シェニエ」だったが、アルバレスがキャンセルしたため演目自体が変更となった。
 理由はこちら...マルセロ・アルバレス、天下のスカラ座を袖に.....


IRINA LUNGU, RENATO BRUSON
(デヴィーアの写真が1枚も無い....)

 以上のように、1951年からの主なヴィオレッタは、レナータ・テバルディ、マリア・カラス、ミレッラ・フレーニ、ティツィアーナ・ファッブリチーニ、アンドレア・ロスト、インヴァ・ムラ、マリエッラ・デヴィーア
 主なアルフレードは、ジャチント・プランデッリ、ジュセッペ・ディ・ステファノ、ジャンニ・ライモンディ、レナート・チオーニ、ロベルト・アラーニャ、ラモン・バルガス、ヴィンチェンツォ・ラ・スコラ、ジュセッペ・サバティーニ、マルセロ・アルバレス
 こうしてみると、なんか地味というか、パッとしない....所謂三大テノールが1人もいないし....彼らのアルフレードにふさわしい時期にスカラ座は「椿姫」を上演していないということの現れですね。

関連記事:
[スカラ座事件]
スカラ座 2011・2012シーズン開幕:Corriere della seraのインタビュー記事
スカラ2010-11シーズン開幕公演バレンボイム指揮《ルチア》に出演か?

メモ:Stéphane Lissner,Daniele Gatti,Dimitri Tcherniakov,Robert Carse,Daniel Harding,Nicola Luisotti,Daniele Abbado,Mario Martone,Battistoni,Giorgio Barberio Corsetti,Valerij Gergiev,Damiano Micheletto,Fabio Luisi,Gianandrea Noseda

メト2012-2013シーズン ラインアップ

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2012.2.23記載
 23日に正式に発表がありました。すでにリークされた情報と異なる点は、「リゴレット」の演出が、リュック・ボンディからマイケル・メイヤーMichael Mayerに代わったことです。ボンディの「リゴレット」は、アンデアウィーン、スカラ座との共同制作でしたが、ゲルプ支配人のお気に召さなかったようです。今後「トスカ」はどうするんでしょう。
 NYtimes記事"What Happens in Vegas Will Also Happen at the Met Next Season"によれば、1960年代のラスヴェガスが舞台だそうです.....なんか期待薄。ボンディ演出の「リゴレット」は、11月にスカラ座で上演されます。
 「フランチェスカ・ダ・リミニ」は、あの1984年の豪華版ピエロ・ファジョーニ演出の再演。最近のチープな舞台衣装じゃないのは楽しみですがキャストはどうなんだろう......
.
以下 2012.2.18記載
 劇場からの公式発表は、来週の24日だそうですが、アメリカのオペラフォーラム等に、情報が流出していますので、こちらにもアップします。ヴィットリオ・グリゴーロは予想通りスカラ座と同じリュック・ボンディ演出の「リゴレット」に出演します。

◎作曲家別:(新演出:7/67、再演:21/141=合計208公演)
ヴェルディ(7/71):

ワグナー(5/19):

モーツァルト(3/19):
ドニゼッティ(2/18):
ロッシーニ(2/13):
プッチーニ(2/16):
ビゼー(1/13):
ザンドナイ(1/6):
ヘンデル(1/10):
グノー(1/5):
トーマス・アデス(1/8):
ベルリオーズ(1/7):
プーランク(1/3):
Aida (10),Un Ballo in Maschera (10),Don Carlo (7),Otello (11)
Rigoletto (14),La Traviata (7),Il Trovatore (12)
Parsifal (7),Götterdämmerung (3),Das Rheingold (3)
Siegfried (3),Die Walküre (3)
La Clemenza di Tito (6),Don Giovanni (7),Le Nozze di Figaro (6)
L’Elisir d’Amore (10),Maria Stuarda (8)
Le Comte Ory(6),The Barber of Seville (7)英語表記は英語で上演?
La Rondine (5),Turandot (11)
Carmen (13)
Francesca di Rimini (6)
Giulio Cesare (10)
Faust(5)
The Tempest (8)
Les Troyens (7)
Les Dialogues des Carmélites (3)

日程とキャスト:新演出:7HD上映:12、再演:21
★愛の妙薬(HD上映10/13):2012年9月24, 27日 /10月1, 5, 10, 13m日/2013年1月30日/1月2, 6, 9m日/Bartlett Sher演出
 Maurizio Benini指揮,Anna Netrebko,Matthew Polenzani,Mariusz Kwiecien,Ambrogio Maestri/ John Del Carlo

★トゥーランドット:2012年9月26, 29日/10月3, 6m, 30日/11月2, 5, 9日/2013年1月2, 7, 10日/Franco Zeffirelli演出
 Dan Ettinger指揮, Maria Guleghina/ Iréne Theorin,Marco Bert/ Marcello Giordani /Walter Fraccaro,Hibla Gerzmava/ Takesha Meshé Kizart,James Morris/ Samuel Ramey

★トロヴァトーレ:2012年9月29m日 /10月4, 8, 12, 17, 20, 25日/2013年1月9, 12m, 16, 19, 24日/David McVicar演出
 Daniele Callegari指揮, 未定/ Marco Berti,Carmen Giannattasio / Sondra Radvanovsky/ Patricia Racette/Angela Meade,Dolora Zajick/ Stephanie Blythe,Franco Vassallo/ Ángel Ordeña/ Alexey Markov,Morris Robinson Christophoros Stamboglis

★カルメン:2012年9月28日 /10月2, 6, 11, 15, 18日/2013年2月9, 13, 16, 20, 23m, 26日/3月1日/Richard Eyre演出
 Anita Rachvelishvili,Kate Royal/ Ekaterina Sherbachenko/ Hei-Kyung Hong, Yonghoon Lee/ Andrew Richards,Kyle Ketelsen / Dwayne Croft /Teddy Tahu Rhodes

★オテロ(HD上映10/27):2012年10月9, 13, 16, 20m, 27m日 /2013年3月11, 15, 20, 23, 27, 30日/Elijah Moshinsky演出
 Semyon Bychkov/ Plácido Domingo指揮:Johan Botha/ José Cura,Renée Fleming/ Krassimira Stoyanova,Falk Struckmann/ Thomas Hampson,Michael Fabiano/ Alexey Dolgov

★テンペスト(HD上映11/10):2012年10月23, 27, 31日/11月3m, 6, 10m, 14, 17m日/Robert Lepage演出(スカラ共同)
 Thomas Adès指揮,Simon Keenlyside,Toby Spence,Audrey Elizabeth Luna,Isabel Leonard, Iestyn Davies,Alek Shrader,Alan Oke,William Burden

★フィガロの結婚:2012年10月29日 /11月3, 7, 10, 13, 17日/Jonathan Miller演出
 David Robertson指揮,Ildar Abdrazakov,Mojca Erdmann,Gerald Finley,Almaviva: Maija Kovalevska / Hei-Kyung Hong,Christine Schäfer

★仮面舞踏会(HD上映12/8):2012年11月8, 12, 15, 19, 24, 27, 30日 /12月4, 8m, 14日/David Alden演出
 Fabio Luisi指揮,Karita Mattila,Kathleen Kim,Dolora Zajick / Stephanie Blythe,Marcelo Álvarez /Roberto De Biasio,Dmitri Hvorostovsky

★ティートの慈悲(HD上映12/1):2012年11月16, 20, 24m日 /12月1m, 6, 10日/Jean-Pierre Ponnelle演出
 Harry Bicket指揮,Giuseppe Filianoti,Barbara Frittol,Elina Garanca,Kate Lindsey,Lucy Crowe,Oren Gradus

★アイーダ(HD上映12/15):2012年11月23, 26, 29日 /12月3, 7, 12, 15m, 19, 22, 28日/Sonja Frisell演出
 Fabio Luisi指揮,Liudmyla Monastyrska/ Hui He,Olga Borodina,Marco Berti / Roberto Alagna,Alberto Mastromarino/ George Gagnidze,Stefan Kocán, Miklós Sebestyén

★ドン・ジョヴァンニ:2012年11月 28日 /12月1, 5, 8, 11, 15, 20日/Michael Grandage演出
 Edward Gardner指揮,Ildar Abdrazakov,Erwin Schrott,Susanna Phillips,Emma Bell,Ekaterina Siurina,Charles Castronovo,David Soar,Raymond Aceto

★セビリアの理髪師:2012年12月18, 22m, 26m, 27, 29日 /2013年1月3, 5日/Bartlett Sher演出
Yves Abel指揮,Isabel Leonard,Alek Shrader,Rodion Pogossov,John Del Carlo,Jordan Bisch

★マリア・ストゥアルダ(HD上映1/19):2012年12月31日 /2013年1月4, 8, 12, 15, 19m, 23, 26日/David MacVicr演出
  Maurizio Benini指揮,Joyce DiDonato,Elza van den Heever,Francesco Meli,Joshua Hopkins,Matthew Rose

★トロイ人(HD上映1/5):2012年12月13, 17, 21, 26, 29m日/2013年1月1, 5m日/Francesca Zambello演出
 Fabio Luisi指揮,Deborah Voi,Susan Graham,Karen Cargill,Marcello Giordani,Eric Cutle,Dwayne Croft,Kwangchul Youn

★つばめ:2013年1月11, 14, 18, 22, 26m日/Nicolas Joël演出
 Ion Marin指揮,Kristine Opolais,Giuseppe Filianoti,Anna Christy,Marius Brenciu, Dwayne Croft

★オリー伯爵:2013年1月 17, 21, 25, 29日/2月2m, 5日/Bartlett Sher演出
Maurizio Benini指揮,Juan Diego Flórez,Nino Machaidze,Karine Deshayes,Susanne Resmark,Nathan Gunn,Nicola Ulivieri

★リゴレット(HD上映2/16):2013年1月28, 31日 /2月 4, 8, 12, 16m, 19, 23日/4月13, 16, 20, 24, 27日/5月1日/Luc Bondy演出(ウィーンFest、スカラ共同) Michael Mayer演出
 Michele Mariotti/ Marco Armiliato指揮,Željko Lucic/ George Gagnidze,Diana Damrau/ Lisette Oropesa,Piotr Beczala/ Vittorio Grigolo,Stefan Kocán/ Enrico Giuseppe Iori

★パルジファル(HD上映3/2):2013年2月15, 18, 21, 27日/3月2m, 5, 8日/Francois Girard演出(リヨン共同)
 Daniele Gatti指揮,Jonas Kaufmann,Katarina Dalayman,Peter Mattei,Evgeny Nikitin,René Pape

★ドン・カルロ:2013年2月22, 25, 28日/3月6, 9m, 13, 16日/Nicholas Hytner演出
 Lorin Maazel指揮,Ramón Vargas,Sondra Radvanovsky,Anna Smirnova,Dmitri Hvorostovsky,Ferruccio Furlanetto,Eric Halfvarson

★フランチェスカ・ダ・リミニ(HD上映3/16):2013年3月4, 9, 12, 16m, 19, 22日/Piero Faggioni演出
 Marco Armiliato指揮,Eva Maria Westbroek,Marcello Giordani,Robert Brubaker,Mark Delavan

★椿姫:2013年3月14, 18, 23m, 26, 30m日 /4月2, 6日/Willy Decker演出
 Yannick Nézet-Séguin指揮,Diana Damrau,Saimir Pirgu,Plácido Domingo

★ファウスト:2013年3月21, 25, 28日/4月2, 5日/Des McAnuff演出
 Alain Altinoglu指揮,Piotr Beczala, John Relyea,Marina Poplavskaya,Julie Boulianne,Alexey Markov

★ジュリオ・チェーザレ(HD上映4/27):2013年4月4, 9, 12, 19, 22, 27m, 30日/5月 3, 7, 10日/David MacVicr演出(Glindebourne制作)
 Harry Bicket指揮,David Daniels,Natalie Dessay,Alice Coote,Patricia Bardon,Christophe Dumaux,Guido Loconsolo

★ラインの黄金:2013年4月6m, 25日 /5月4日/Robert Lepage演出
 Fabio Luisi指揮,Wendy Bryn Harmer,Stephanie Blythe,Meredith Arwady,Stefan Margita,Gerhard Siegel / Robert Brubake, Mark Delavan / Greer Grimsley,Eric Owens/ Richard Paul Fink,Franz-Josef Selig,Hans-Peter König

★ワルキューレ:2013年4月13m, 26日/5月6日/Robert Lepage演出
 Fabio Luisi指揮,Martina Serafin,Simon O’Neill,Deborah Voigt/ Katarina Dalayman,Mark Delavan / Greer Grimsley,Hans-Peter König

★ジークフリート:2013年4月20m, 29日/5月8日/Robert Lepage演出
 Fabio Luisi指揮,Jay Hunter Morris/ Lars Cleveman,Gerhard Siegel / Robert Brubaker,Eric Owens/ Richard Paul Fink,Meredith Arwady

★神々の黄昏:2013年4月23日/5月2, 11m日/Robert Lepage演出
 Fabio Luisi指揮,Deborah Voigt/ Katarina Dalayman,Jay Hunter Morris/ Lars Cleveman,Wendy Bryn Harmer,Karen Cargill,Iain Paterson,Eric Owens/ Richard Paul Fink,Hans-Peter König

★カルメル会修道女の対話:2013年5月 4m, 9, 11日/John Dexter演出
 Louis Langrée指揮,Isabel Leonard,Patricia Racette,Erin Morley,Elizabeth Bishop,Felicity Palmer,Paul Appleby

訃報:ジャンジャコモ・グエルフィ Giangiacomo Guelfi (1924.12.21-Roma〜2012.2.8-Bolzano)

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 イタリア、ローマ生まれのバリトン、ジャンジャコモ・グエルフィが2月8日、ボルツァーノで亡くなりました。享年87歳、ご冥福をお祈りします。
 グエルフィ縁の地、スポレート(オペラデビュー)と晩年を夫婦で過ごしたボルツァーノの訃報記事をリンクします。
Scomparso il baritono Giangiacomo Guelfi, aveva debuttato a Spoleto con il Rigoletto
È morto Guelfi Addio al grande baritono che amava Bolzano

 ルッジェーロ・ライモンディと共演の1970年ムーティ指揮の「アッティラ」のライブ放送と、1971年バルトレッティ指揮「ジョコンダ」のライブのCDを持っていますが、アッティラは好きなオペラですし、数少ないバスが主役のオペラですし、若き日のムーティとライモンディの貴重な録音でもありますし、よく聞きました。右の写真をクリックするとライモンディのアッティラとグエルフィのエツィオの二重唱が聴けます.....YouTubeにかっこいいTV映画の映像をつけてアップしました。

 ジャンジャコモ・グエルフィは、1950年スポレートで「リゴレット」のタイトルロールでデビュー、1952年スカラ座デビューは、アルゼンチンの作曲家、JUAN JOSE' CASTRO作曲"PROSERPINA E LO STRANIERO"、指揮は作曲家自身、演出はストレーレル、Prosperinaは、エリザベッタ・バルバト、Demetriaは、シミオナート、Lo stranieroがグエルフでした。1954年シカゴ・リリック・オペラデビュー、イタリア人バリトンとして主役級で国際的い活躍しました。主なレパートリーは、19世紀の作品ですが、レパートリーは幅広く、1954年のイルデブランド・ピッツェッティの“La figlia di Jorio”の初演にも出演しています。スカラ座では、1952年から1969年までに、ワリー、アイーダ、モゼ、カルメン、フランチェスカ・ダ・リミニ、夢遊病の女、カヴァレリア、友人フリッツ、西部の娘、マクベス、ボエーム、シモン・ボッカネグラ、蝶々夫人、ナブッコ、ウィリアム・テル、オリンピア、トロヴァトーレ、ルチア、マリア・ディ・ロアン(1969年)等に出演、NYメトには、1970年に「トスカ」、「西部の娘」とそれぞれ1公演づつ出演、日本には、NHKが招聘した1956年第1次イタリア歌劇団として来日、「アイーダ」「トスカ」に出演、1961年第3次「イタリア歌劇団」公演では、「アンドレア・シェニエ」「トスカ」「アイーダ」に出演しました。

 以上簡単な経歴ですが、キャリアはわりと短かったようです。確かなことはわかりませんが、この時代の歌手は、60,70まで歌い続けるということはまれで、50歳前後で表舞台からは引退して後進の指導にあたるというのが普通だったのかもしれません。「イタリア歌劇団」として来日していますので、日本では生で聞いた方も多く、知名度も高いのではないかと思います。

 時代のせいもあって、正規録音はほとんどないようですが、1951年録音のジュリーニ指揮の「2人のフォスカリ」、1967年ライヴ録音のアバド指揮「ランメルモールのルチア」カラヤン指揮の「カヴァレリア・ルスティカーナ」があります。

 グエルフィ縁の地、スポレートとボルツァーノの訃報によれば、ボルツァーノの病院に入院して一週間後に亡くなったそうです。

関連記事:
(資料室)アッティラ Attila:ルッジェーロ・ライモンディのアッティラ
ヴェルディ作曲《アッティラ》ルッジェーロ・ライモンディのアッティラ
ジョコンダ


『椿姫』ジョルジョ・ジェルモンの手紙を読むヴィオレッタ

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 毎度お馴染みのイタリアのラジオ番組"La barcaccia"のPerle nereのコーナーから。「椿姫」の3幕、ヴィオレッタの病の床に、アルフレードの父、ジョルジョ・ジェルモンの手紙を何度となく読み返し、外国にいるアルフレードの帰りを毎日今か今かと待っている。今日もまたその手紙を読み返すが、最後に「もう遅いわ!」と叫ぶシーン。この手紙を読むシーン、歌ではなく、伴奏付きの朗読ですが、感情を込めて読むのは、歌より難しいようです。

La_Traviata_Fleming.jpg
♪ iPhone/iPad用 mp3
«Teneste la promessa... la disfida
Ebbe luogo! il barone fu ferito,
Però migliora Alfredo
È in stranio suolo; il vostro sacrifizio
Io stesso gli ho svelato;
Egli a voi tornerà pel suo perdono;
Io pur verrò. Curatevi... meritate
Un avvenir migliore. -
Giorgio Germont.»
(desolata)
È tardi!


 ルネ・フレミングのはけっこう有名で、どこかでも話題になってましたが、改めて聞くとやっぱり面白い....それに毎度のことですが、二人の爆笑で更におかしさ倍増。「エ タルディ」では、手紙をクシャクシャに丸めて投げているようです。次は、なぜか男(アメリカ人)のヴィオレッタ? 下手すぎてイタリア語とも言えないようなしろものですが、やっぱり最後の「エ タルディ」で爆笑、最後は、マエストロと言っていますので、指揮者が歌唱指導のためにお手本をみせているんでしょうか......フレミングの「エ タルディ」と同じですよ。
 参考までに、パトリツィア・チョーフィのヴィオレッタで"Teneste la promaessa..."....08:30のところです。

関連記事:
オペラ傑作歌唱で初笑い:ターフェル(ヴォータン)のGeh'! ☆ ロメオ(ベチャラ)のハイC失敗...
スチュアート・ニール、ハイCの着地に失敗しました! "Di quella pira l'orrendo foco"
ゲオルギューとグリゴーロ★☆Rai3のラジオ番組"La Barcaccia"
マリーナ・ポプラフスカヤの"Sempre libera"のケッサク歌唱(メト2011.1.15の椿姫)

チューリッヒ歌劇場 ペレイラからホモキに....新体制の2012-2013シーズン発表(2012.3.1)

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 20年に及ぶ、アレキサンダー・ペレイラ(1947.10,11-ウィーン)の時代が終わり、インテンダントは演出家のアンドレアス・ホモキ(Andreas Homoki, 1960.2.16 - ドイツ)、音楽監督ファビオ·ルイジ(Fabio Luisi,1959.1.17.ジェノヴァ) というチューリッヒ歌劇場新体制のシーズン発表がありました。ここ数年チューリッヒに出演していたヴィットリオ・グリゴーロもルッジェーロ・ライモンディも出演しないので、記事にするのはパスするつもりでした。しかし、出演歌手を見ていて、国際的に知名度の高い歌手がほとんど消えているではないですか......各シーズン12以上の新演出オペラを舞台にのせ公演数の多さと新人からベテラン、人気歌手を取り揃え歌手の層が厚いのがチューリッヒ歌劇場の特徴だと思っていましたが、ペレイラとともに去りぬ.....みたいです。その代わりに、喧嘩して出て行ったエディタ・グルベローヴァが戻ってきましたが、彼女も65才ですからね.......
 ホモキは、「リハーサルの時間を多くとってアンサンブルを充実させたい」と述べていますが、来シーズンは新演出11(世界初2演目を含む)、再演20、今シーズン(新演出13、再演22)となっています。詳細はこちらでPDFをダウンロードしてご覧いただくとして、簡単にまとめてみました。

新演出11(100+α)
☆イエヌーファ(10) 2012年9月23,26,30/ 10月4, 7, 16, 20, 24, 28, 31日
 Fabio Luisi/Patrick Lange指揮,Dmitri Tcherniakov演出
 Kristine Opolais,Michaela Martens,Hanna Schwarz,Christopher Ventris,Pavol Breslik

☆ヘンデルプロジェクト"Sale"(世界初演)(10) 2012年11月4,7,9,11,14,18,20,22,25,27日
 Laurence Cummings指揮,Christoph Marthaler演出

☆Frank Schwemmer:DIE SCHATZINSEL子供のためのトレジャーアイランド(世界初演)(17)
 2012年11月17,25/12月2,4°,8,11°,14°,16,30,31/ 2013年1月2,12/4月21/5月9,20/6月9/7月13
 Thomas Rösner指揮,Nadja Loschky演出

☆さまよえるオランダ人(13) 2012年12月9,12,19,23,26*,29/ 2013年1月2*,5,11,17,23/7月3,5日
  A.Altinoglu指揮,A.Homoki演出/Bryn Terfel,Anja Kampe,Liliana Nikiteanu,Matti Salminen

☆リゴレット(10) 2013年2月3,5, 8,10,13,17,26/6月29 /7月11,13日
 F.Luisi指揮,T.Gürbaca演出/Saimir Pirgu,Quinn Kelsey,Aleksandra Kurzak,Christof Fischesser

☆三人姉妹Drei Schwestern/Peter Eötvös(6) 2013年3月9,15, 24*/ 4月3, 5,11,14*日
 Michael Boder指揮, Peter Sommerer指揮,,Herbert Fritsch演出/I.Rusko,A. Goryachova,J. Riley,N.Rebeca Olvera

☆ムツェンスクのマクベス夫人(10) 2013年4月7,10,13,17,20,23,28/ 5月3/ 6月19, 21日
 Teodor Currentzis指揮,Andreas Homoki演出/Tatjana Serjan,Kurt Rydl

☆ドン・ジョヴァンニ (11) 2013年5月26.29/ 6月1,4,7,9,14,20,22,25,27日
 R.Ticciati指揮,S.Baumgarten演出/P.Mattei.M.Rebeka,P.Breslik,R.Siwek,J.Kleiter,R.Drole,A.Goryachova

☆ベッリーニ:異国の女 La straniera (6) 2013年6月23,28/ 7月2, 6, 10, 14日
 F.Luisi指揮,C.Loy演出/Edita Gruberova,Veronica Simeoni,Gregory Kunde,Franco Vassallo

★寛容なソクラテス Der geduldige Sokrates(6) 2013年4月25,27/ 5月2,4,6,8日
 Christopher Moulds指揮,Claudia Blersch演出

★タヒチ島の騒動 Trouble in Tahiti/バーンスタイン (1+α) 2012年9月22+未定
 Tom Barthel指揮,Aglaja Nicolet演出


再演20(92)
・サロメ(6) 2012年9月27,30*/ 10月5/ 6月16*/ 7月 7,14日
 C.Meister指揮,Sven-eric Bechtolf演出/Nicola Beller Carbone,Tómas Ttómasson

・ロベルト・デヴェリュー(4) 2012年9月28 / 10月9, 14, 19日/A.Yurkevich指揮,G.del Monaco演出
 Edita Gruberova,Veronica Simeoni,John Osborn,Alexey Markov

・トスカ(6) 2012年9月29*/ 10月6, 10/ 12月18, 22, 31/2013年1月6日
 F.luisi/M.Armiliato指揮,R. Carsen演出/C.Naglestad,M.Giordani,L.Gallo/t.hampson

・ルチア(6) 2012年10月21,27, 30/ 11月3,11*,16日
 Karel Mark Chichon指揮,Damiano Michieletto演出/Alexey Markov,Jane Archibald,Ismael Jordi

・フィガロの結婚 (6) 2012年11月6,10,18,23/ 12月1,4日/C.Hogwood指揮,Sven-Eric Bechtolf演出
 Christopher Maltman,Rachel Harnisch,Martina Janková,Ruben Drole

・仮面舞踏会 (6) 2012年11月24,30/ 12月5,8,11,14* 日
 N.Santi指揮,D.Pountney演出/Ramon Vargas,AlexeyMarkov,Tatjana Serjan,Yvonne Naef,Sen Guo

・後宮からの誘拐(7) 2012年12月16,20,30*/2013年1月4,18,27/ 2月6日
 P.Lange指揮,T. Langhoff演出/J.Aarchibald,R.Olvera,M.Maertens,J.Camarena, M.Laurenz

・カヴァレリア・道化師 (4) 2013年1月1,6*, 9, 12日/A.Vedernikov指揮,G.Asagaroff演出
 Waltraud Meier,Zoran Todorovich/Elena Moşuc,Zoran Todorovich

・タンホイザー (4) 2013年1月13, 20, 26/ 2月2* 日/Marc Albrecht指揮,Harry Kupfer演出
 Peter Seiffert,Anja Harteros,Vesselina Kasarova,Thomas Hampson

・絹のはしご (4) 2013年1月19,25, 27, 30日/Riccardo Frizza指揮,Damiano Michieletto演出
 Sen Guo,Anna Goryachova,Javier Camarena

・ボエーム (4) 2013年2月15,17, 28/ 3月3日/Fabio Luisi指揮,Philippe Sireuil演出
 Inva Mula,Sen Guo,Stefano Secco,Massimo Cavalletti,Christof Fischesser

・カルメン (4) 2013年3月8,10,13,17*日/Patrick Fournillier指揮,Matthias Hartmann演出
 Kate Aldrich,Rachel Harnisch,Yonghoon Lee,Simone Alberghini

・蝶々夫人 (5) 2013年3月14,17,24,30* / 4月6日/Carlo Rzzi指揮,Grischa Asagaroff演出
 Adina Nitescu,James Valenti,Judith Schmid,Ruben Drole

・パルジファル (3) 2013年3月23,28/ 4月1日/Ulf schirmer指揮,Claus Guth演出
 Stuart Skelton,Evgeny Nikitin,Jan-hendrik Rootering,Angela Denoke

・リナルド (4) 2013年4月12,14,19,21*日/Ivor Bolton指揮,Jens-Daniel Herzog演出
 S.Prina,M. Hartelius,L.Zazzo,J.Archibald,A. Goryachova,R.Drole,M.des IOS

・ファルスタッフ (6) 2013年4月26,28* / 5月4,7,10,12日/Nello Santi指揮,Sven-eric Bechtolf演出
 Ambrogio Maestri,Elena Moşuc,Massimo Cavalletti,Ivana Rusko,Javier Camarena

・椿姫 (5) 2013年5月5,8,11,15,18日/Keri-Lynn Wilson指揮,Jürgen Flimm演出
 Diana Damrau,Saimir Pirgu,George Petean

・ルサルカ (4) 2013年6月2* ,6, 12, 15日/Eivind Gullberg Jensen指揮,Matthias Hartmann演出
 Pavel Černoch,Liliana Nikiteanu,Michelle Breedt,Christof Fischesser

・ばらの騎士 (4) 2013年6月30,4, 9, 12*日/Fabio Luisi指揮,Sven-eric Bechtolf演出
 Alfred Muff,Vesselina Kasarova,Rachel Harnisch,Martin Gantner

*コジ ・ファン・トゥッテ(4) 2013年2月7, 9, 13, 15, 17日
 Thomas Rösner指揮,Sven-eric Bechtolf演出/ヴィンタートゥール劇場(Theater Winterthur)

 確かに、世界の大劇場で活躍している歌手が少なくなっているような感じです。ライモンディ、ヌッチ、ポンスあたりは世代交代かもしれませんが、クーラ、フローレス、ベチャラ、フリットリ、バルトリ、エヴァ・メイ....皆さん契約切れなんでしょうか。今後戻ってくるんでしょうか。世界的にオペラハウスは財政的にひっぱくしているようですから、ギャラの高い歌手を減らしたような感じもします。自分でどこで何を歌うか決められるような歌手は、ほとんど人脈で動いているようですし、けっこうインテンダントの交代は影響があるのかもしれません。グルベローヴァが戻ってきたのもペレイラ氏がいなくなったからだと思いますし、ライモンディも、パリ・ガルニエの常連だったのにぱったり出なくなったのは、インテンダントとのトラブルが原因でしたしね。

参考までに、今シーズンいて来シーズンはいない主役級歌手たち
女声歌手:Cecilia Bartoli,Fiorenza Cedolins,Barbara Frittoli,Emily Magee,Eva Mei,Anna Netrebko,Anita Rachvelishvili, Isabel Rey,Martina Serafin,Beatrice Uria-Monzon

男声歌手:Carlos Alvarez,Piotr Beczala,Johan Botha,José Bros,José Carreras,Carlo Colombara,Jose Cura,Placido Domingo,Juan Diego Flórez,Vittorio Grigolo,Simon Keenlyside,Leo Nucci,Michele Pertusi,Juan Pons,Ruggero Raimondi,Roberto Saccà,Fabio Sartori,Neil Shicoff,Antonino Siragusa,Vladimir Stoyanov,Rolando Villazon

関連記事:
チューリヒ歌劇場ペレイラ氏、経営方針を語る
 アレキサンダー・ペレイラ:1947年10月11日ウィーン生。1991/1992シーズンにチューリッヒ歌劇場のインテンダントに就任。(Wiener Konzerthausの元総支配人)芸術的、経済的成功により、2011年まで任期が延長されている。
チューリヒ歌劇場2011/2012シーズン発表(2011.4.13 Operhaus Zürich)

ルーチョ・ダッラ Lucio Dalla (1943.3.4〜2012.3.1) 急死 ☆ 1月30日ガラコンでライモンディと(写真)

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 3月1日、イタリアのシンガーソングライターcantautore ルーチョ・ダッラがコンサートツァーのために訪れていたスイスで客死しました。心臓発作だったそうです。モントレーのホテルで朝食後、突然の出来事でした。享年68才、ご冥福をお祈りします。
 彼の最後の演奏は、サンレモ音楽祭の "Nanì"でした。この時の映像と、彼の50年以上に渡る芸術活動の概略は、こちら"E' morto Lucio Dalla, stroncato da un infarto"、また、ジョルジョ・ナポリターノ大統領も哀悼の意を表しています。"Lucio Dalla "autore e voce forte e originale"

  

 ルーチョ・ダッラは、パヴァロッティが彼の作詞作曲した「カルーソ」を歌ったことで、オペラ愛好家の間でもよく知られています。グリゴーロの最新アルバム"Arrivederci"には、オペラのアリアと長く歌い継がれてきた伝統的なカンツォーネ、そしてアルバム最後の曲は、1986年ルーチョ・ダッラ作詞作曲の「カルーソ」が選ばれています。
 昨年のベルリンでの ECHO Klassik 授賞式とローマでのクリスマスコンサートでも「カルーソ」を歌っています。 ECHO Klassik 授賞式では、突然事故で亡くなったリチートラに賞を捧げたい...と申し出ています。

 ダッラは、ボローニャ出身ということもあって、ルッジェーロ・ライモンディとも親交があり、ライモンディの長男の写真家ラファエロとも一緒に仕事をしています。1月30日には、ボローニャ歌劇場で"Hospice Seràgnoli"の10周年記念コンサートが行われ、ルーチョ・ダッラの司会でルッジェーロ・ライモンディとアンナ・カテリーナ・アントナッチ(3人ともボローニャ出身)が、レオーネ・マジエラのピアノ伴奏で歌いました。記事はこちらGalà per i dieci anni dell’Hospice Seràgnoli/Al Comunale con Dalla le voci di Ruggero Raimondi e Anna Caterina Antonacci.....

 また、ヴィットリオ・グリゴーロとは、2003年に、ロッシーニの"Petite Messe Solennelle"を一緒に歌っているようですし、プッチーニの「トスカ」にインスピレーションを得て作曲された"Tosca Amore Disperato"は、グリゴーロとの共同制作らしいし(歌手としても出演することになっていたがグリゴーロの都合で実現しなかったのは事実).....とにかく親交が深かったのは間違いないようです。Ciao Lucio! ではじまる詩的なグリゴーロの追悼文が、彼のホームページに掲載されています。さきほど、グリゴーロのfacebookを覗いたら、グリゴーロが13才で「トスカ」に出演してパヴァロッティと共演した時にルーチョ・ダッラと一緒に撮った写真がアップされていました。

YouTubeの広告料に詐欺・たかりまがいの著作権ビジネス横行か? (2012.4.15までの結果)UMPG Publishingの実態は?

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 YouTubeのないネットなんて.....本当に楽しくない...ですよね。私も日々楽しませてもらっていますが、2009年8月頃からYouTubeがはじめた著作権対策......つまり、クラシック音楽に関して言えば「自分に著作権がないのは確かだけど、誰に有るかもよくわからんし、同好の人たちと楽しむだけで、これでお金を儲けようなんてつもりは全然ないから、大目にみてね....」というような動画に対して、著作権があると主張する組織、団体に対してなにがしかのお金を配分するシステムを作ったわけです。
 YouTubeに動画をアップされたことがある方は、お分かりかと思いますが、動画をアップすると「第三者のコンテンツと一致しました」という文言が表示され、動画に広告が表示されるようになることがあります。「YouTubeさんの日本語はよくわかりません.....サードパーティのコンテンツの一致」と言う記事に詳しく書いてあります。
 まあ、こちらとしては、目障りな広告を入れられても、削除されるよりはいいし....とこのシステムを歓迎していたのですが、最近、あんた本当に権利者?....というような団体がよってたかって権利を主張するようになってきて、こっちも違法っぽいし大きなことが言える義理でも無いし仕方がないかな...という許容の範囲を超えてきました......そこで、こちらで納得できないものには、「異議申し立て」をしてみました。私の動画に著作権を申し立てている正当な権利者は、SME、UMG、TF1(フランスのテレビ)、La7(イタリアのテレビ)だけだと判断して、それ以外には全部「異議申し立て」をしました。
 その結果、約50件の動画についていたのが、かなり減りました。しかし、UMPG Publishingと
The Orchard Musicは、「異議申し立て」に対して「異議申し立てを拒否し、再度申し立てを行いました。 」という結果です。
 問題なのは、最初の「異議申し立て」は簡単にできますが、「異議申し立てを拒否し、再度申し立てを行いました。 」という結果になると、もうこちらは何も打つ手がなく、著作権のない奴らに不当に儲けさせたくない場合は、自分で動画を削除するしかないということです。

私が、「異議申し立て」をした組織だか団体は以下の通りです。
UMPG Publishing
 「異議申し立て」をしても調査もせずに再度著作権を主張、しかもいつどこで誰が演奏した楽曲についてなのかも明記しない。打つ手無しの悪質な団体としか思えない。(参考画像4件)


The Orchard Music
 「異議申し立て」をすると「いつどこで誰が演奏したのかを明記するが、それが全くの勘違いあるいは虚偽.....どういうつもりなんだろう。たとえば、チョーフィとグリゴーロの「椿姫」のライヴの音源を「マリア・カラスのCD」だと主張したり、Royal Opera House管弦楽団の演奏をThe Royal Vals Orchestraだって...なにそれです。(参考画像2件)

GoDegital MG
 「異議申し立て」をすると再調査して、どの音源と勘違いしたのかも明記する。

Sony ATV Publishing
 SMEと関係あるのかどうか不明だが、「異議申し立て」をすれば再調査して、適切な対応をする。


EMI Music Publishing
  もしかしたら本当のEMIかもしれない....「異議申し立て」をすれば再調査して、適切な対応をする。


Music Publishing Rights Collecting Society
 ほとんどのものに権利を主張してくるが、「異議申し立て」をすると即ひっこめる。

参考までにどういう状態なのか画像をアップします。クリックすると拡大します。
The Orchard Music (2件)
どこがマリア・カラスなの!
orchard_1.jpg

The Royal Vals Orchestraってなんだ!
orchard_2.jpg


以下全部 UMPG Publishing (4件)
著作権があると言いながら、どこのどの部分、いつ誰の演奏かを明記しない....
UMPG_1.jpg

UMPG_2.jpg

UMPG_3.jpg

UMPG_4.jpg


関連記事:
YouTubeさんの日本語はよくわかりません.....サードパーティのコンテンツの一致
YouTubeの著作権情報 & グリゴーロのニューアルバム"Arrivederci"のプロモーションビデオ

ヴェリアーノ・ルケッティ Veriano Luchetti (1939.3.12〜2012.4.23)

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 テノールのヴェリアーノ・ルケッティが4月23日にローマの自宅で亡くなりました。享年73歳、ご冥福をお祈りします。
 ヴィテルボ(ローマとフィレンツェの中間)のTuscania生まれ、スポレートのテアトロ・スペリメンターレでオペラデビュー、すぐにフェニーチェ歌劇場と出演契約を結ぶ。ルケッティのレパートリーは、ヴェルディ、プッチーニ、グノー、ベルリオーズ、マイヤベーアと幅広い。主にムーティ、アバド、メータ、マゼールの指揮で、スカラ、ヴェローナをはじめイタリアの各劇場、ウィーン、コヴェントガーデン、パリ、メト、ザルツブルグと世界の大劇場で活躍。最近は、後進の指導に専念しており、今年の夏も、Riva del Garda(Trento)で開催される"Rivafestival"で、奥さんのミエッタ・シーゲレMietta Sighele(ソプラノ)と共に声楽の講師をつとめる予定でした。


 ルッジェーロ・ライモンディとは、若い時からムーティ、アバドの指揮で度々共演しています。ちょっと思いつくだけでも、アッティラ、シモン・ボッカネグラ(アバド)、シチリアの晩鐘(ムーティ)ジェルザレム(グラチス)、ヴェルディのレクイエム(ムーティ、シノーポリ)等

Veriano Luchetti
Nato a Tuscania, ha debuttato al Teatro Sperimentale di Spoleto. Subito scritturato dal Teatro La Fenice, si è esibito in tutti i grandi teatri italiani e del mondo: Arena di Verona, Maggio Musicale Fiorentino, Scala (compresa l’inaugurazione del bicentenario con Simon Boccanegra - Strehler - Abbado e le tournée a Washington, New York, Tokyo, Londra, Berlino, Praga, Vancouver), Berlino, Monaco, Vienna, Salisburgo, Chicago, San Francisco, Opéra di Parigi, Metropolitan e con i più prestigiosi direttori d’orchestra: Muti, Abbado, Gavazzeni, Votto, Gui, Kleiber, Giulini, Solti, Schippers, Metha, Ozawa, Sawallisch, Maazel. Il suo repertorio è molto vasto e va dal 700 a Spontini, Cherubini, Rossini, Donizetti, Bellini, Puccini con Verdi prediletto, comprendendo anche Bizet, Gounod, Berlioz, Meyerbeer ed altri. Ha svolto un’intensa attività concertistica cantando alla Carnegie Hall di New York, alla Royal Festival Hall di Londra, al Concertgebouw di Amsterdam, alla Musikverein Saal di Vienna, a Santa Cecilia di Roma ed in altre prestigiose sale da concerto a Berlino, Philadelphia, Tel Aviv, Parigi, Tokyo ecc. Ha partecipato a produzioni operistiche e concertistiche alle radio e televisioni italiane e straniere registrando videotape di Attila e Vespri Siciliani di Verdi. Ha inciso dischi con EMI, RCA, Fonit Cetra, Hungaroton, Decca. È presente in diverse giurie di concorsi di canto nazionali ed internazionali ed è docente di vari corsi di perfezionamento.(2012年のMusicaRivafestivalの講師紹介文から)

新国《ドン・ジョヴァンニ》2012.4.19

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 「オペラ生舞台鑑賞記録」をさぼっていましたので、久しぶりです。せっかくブログを開設しているんですから、記録くらいは残しておかなくては....なんですけど。
 「ドン・ジョヴァンニ」は、ドン・ジョヴァンニとレポレッロ主従が登場している時は、話しの展開も早く、面白いのですが、あとが、ハ〜イ、アリアですよ〜で、とても長く感じられて、天才モーツァルトには申し訳ないけど、ちとたいくつ。新国の「ドン・ジョヴァンニ」は、2008年のプレミエにも行ってますが、今回、見たい!聞きたい!と思った理由は、クヴィエチェンがドン・ジョヴァンニだから、新国という最高のオペラハウスで見られるのに、これを逃す手はないでしょ...それに年齢的にも今が脂ののった美味しい時期でしょうし....あとのキャストは全然把握せずに劇場へ......
 キャスト表を眺めて、おやシュトーダ君がオッターヴィオか...全然知らない歌手ではないので、楽しみが増えちゃったよ.....と期待。赤いシャツに合わせた赤い縁の眼鏡といういでたちのお洒落な指揮者登場、はじまり、はじまり.....。
 結果、クヴィエチェンのドン・ジョヴァンニ、歌よし声よし見た目よしでよかったです。「ドン・ジョヴァンニ」は、6人いい歌手が揃うのは、なかなか難しいのですが、1人を除いて全体的にもよかったです。
 あれれ...だった1人とは、オッターヴィオのダニール・シュトーダ、10列目の見て良し聞いて良しの席なのに、声が全く飛んで来ないどころか1人だけ声が後ろに引っ込んじゃってるじゃないですか....最近テノールに開眼してテノールに厳しくなってるからじゃないです。timbroとかsquilloとは無縁の声、とにかくちゃんと聞こえないとちゃんと歌ってるかも判断できないでしょ! 長いアリアが二つもあるし、これはブーされても仕方がないよな....と、はらはらしましたが、優しいお客さんばかりでブーは無しでほっとしました。もしかしたら、皆さん私と同じでほとんど聞こえてなかったのかな? 数年前は「期待の新人、若手テノール」だったんですけど......やっぱり、大劇場で主役を張るテノールの器ではなかった....これでスタイルヨシのハンサムだったら、叩かれまくりでしょうけど、そこがオペラの七不思議、体型、容姿ともに垢抜けなくて愛嬌があるので、今度は頑張ってね....みたいな拍手をもらえちゃうんですよね。それに、オッターヴィオの長いアリア、中途半端にうまく歌うとたいくつなんですけど、どうしちゃったの?大丈夫かいな....とはらはらしながら聞くと、あっというまに終わるという不思議なアリアなんですよ。

★一言コメント

マリウシュ・クヴィエチェン(Mariusz Kwiecień 1972.11.4 ポーランド)と平野 和(Yasushi Hirano1977-)
ちっともじっとしていない身軽でよく動くスリムなドン・ジョヴァンニで、「シャンパンアリア」の早口も完璧、「セレナーデ」も堪能させてくれました。さすがに大劇場で歌っているだけあって、声は最初から最後までバンバン飛んできます。
平野 和さんのレポレッロは、日本人を感じさせない身のこなしと歌唱、クヴィエチェンとも相性の良い主従でした。

★アガ・ミコライ (Aga Mikolaj ポーランド)とダニール・シュトーダ(Daniil Shtoda 1977 - ロシア)
プレミエでは、捨てられた悔しさと、でも愛してる....で、どっちつかずで、いつもいらいら....のドンナ・エルヴィーラを歌ってましたが、今回はドンナ・アンナ、美人さんですし、どちらもOK。
ドン・オッターヴィオのシュトーダ....残念ながら「完全沈没」状態でしょう。声がふわふわふにゃふにゃで響かない。でもカーテンコールで、楽しそう、嬉しそうにしている憎めない奴です.....

ニコル・キャベル(Nicole Cabell 1977.10.17 ーカリフォルニア)
けっこう国際的に活躍しているソプラノで、2007年のワシントンオペラの「ボエーム」のムゼッタでグリゴーロと共演、確か、ネトレプコとビリャソンの映画版とんでも「ボエーム」でもムゼッタで出てます。なんでもそつなくこなすタイプかな。ドンナ・エルヴィーラよかったです。.
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 こうしてみると、1977年生まれが3人も.....オペラ歌手の35才は、まだまだ若手ですが、今後を左右する重要な年齢かもしれません。花の1977年組の今後の活躍を期待しましょう。.

メモ:シュトーダについて、数年前の、2006年9月の私のコメント
「経歴をみるとサラブレッドのようです。ロシア国内でのコンクールの数々に優勝、2000年には、ドミンゴのOperalia で優勝(2位)、世界の主要歌劇場、音楽祭で活躍、すでに、EMIからリサイタルのソロアルバム、ロシアのレーベルDelos Recordsから、ロシアオペラアリア集もリリースされています。ドイツグラモフォンのアバド指揮の《ファルスタッフ》、ターフェルとハンプソンかな、でフェントンを歌っています。
実際に見て聴いてどうだったかですが、フェントンには向いていないと思いました。フィレンツェのプレミエでも、失望(期待されていたということですね)したとか、発声が曖昧、粘り過ぎ、役柄に合わない等の評が目につきました。経歴からみても、実力があるのは間違いないでしょうから、今後が楽しみ。」
 ううーん、新人歌手に対しての配慮のあるコメントですね。1977年生まれということは、私の一押しテノールのヴィットリオ・グリゴーロと同年、彼は、モデル並のスタイルと目立つ容姿なので、叩かれることも多くアンチもたくさんいますが、逆に言えば、それも実力があるからこそなんですね。シュトーダも、もうビギナーズラックはお終い、自分の実力だけでいかなきゃならない....過去記事のコメントにシュトーダのことがいろいろ書いてあって面白いです。この時点ですでに「下り坂」と言っている方もいます。

2011/2012シーズン「ドン・ジョヴァンニ」
Wolfgang Amadeus Mozart : Don Giovanni
/全2幕
  
【イタリア語上演/字幕付】
スタッフ
指 揮】エンリケ・マッツォーラ
【演 出】グリシャ・アサガロフ
【美術・衣裳】ルイジ・ペーレゴ
【照 明】マーティン・ゲップハルト

【合 唱】新国立劇場合唱団

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
キャスト
【ドン・ジョヴァンニ】マリウシュ・クヴィエチェン

 【騎士長】妻屋秀和

【レポレッロ】平野 和

 【ドンナ・アンナ】アガ・ミコライ

【ドン・オッターヴィオ】ダニール・シュトーダ

【ドンナ・エルヴィーラ】ニコル・キャベル

 【マゼット】久保和範

【ツェルリーナ】九嶋香奈枝



関連記事:
特集:《ファルスタッフ》のフェントンのその後 シュトーダについてのコメント有り
新国《ドン・ジョヴァンニ》2008.12.11
《ボエーム》ロドルフォ:若い歌手たちの公演 ☆VideoClip
ワシントン・ナショナル・オペラ2007年開幕公演《ボエーム》全曲放送☆★MP3+写真集

欧州サッカーチャンピオンズリーグ決勝戦オープニングセレモニー(ミュンヘン 2012.5.19):ヨナス・カウフマンとデヴィッド・ギャレットの演奏 (2012.5.19)☆ カウフマン自身がリップシンクだった....と発表(2012.5.24)

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◎どういうつもりで、どういう人たちを牽制するつもりで、今更の発表なのかよくわかりませんが、24日に、「オープニングセレモニーでサッカー競技場で歌ったのはあらかじめ録音したものを流して僕はそれに合わせてリップシンクしただけだし、無報酬だったんだぞ!」というコメントを公式のホームページとフィエスブックに掲載しました。カウフマン自身がコメントにも書いているように、このことはすでに前もって、UEFAの公式サイトでも発表されていました(私の下記記事にもちゃんとリンクしています)。いずれにしろ、非難する人はどう言い訳しても非難するので、こういう形での発表は必要ないと思いますけど.....AP通信が配信したので、ネットでJonas Kaufmannと検索するとこのニュース?がズラーッと出るので逆効果のような気もします。コメントの内容を記録に残しておきます。
「私が土曜日の夜、UEFA Champions’ League Finalsの開会式に登場したことに一部の人たちは非常に驚いたようです。つまり、数回の公演やコンサートを、病気を理由にキャンセルしたのに、CLFではなんだって歌えるのかというわけです。これ以上誤解されたくないので説明します。私は歌いませんでした。事前に録音したテープに合わせて口ぱくしていただけです。大会の運営サイドが実際にその場でライブで歌うことにこだわったら、もちろん、他の公演やコンサート同様、キャンセルするつもりでした。CLFで、私はただそこに立って、5分間、身振り手振りをしていればよかったのです。デヴィッド・ギャレットの隣で自分が自分の声に合わせるなんてことはとんでもないことだと思いました。だから、変に勘ぐられないために無報酬でやりました。さらにはUEFA and DFBの広報係に対して、これについて公表するよう強く要求しました。そこで、彼らはインターネットの公式サイトに正しい情報を掲載しました。私に好意を寄せてくださる皆様に改めてお礼を申し上げます。またすぐに皆様のために歌うのを楽しみにしています。Jonas Kaufmann」(2012.5.26追記)
☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 カウフマンは、4月28日以降の予定を健康上の理由ですべてキャンセルしましたが、地元ミュンヘンのために病み上がりの身体をおしてのアリアンツ・アレ-ナ登場です。こういう大イヴェントにオペラ歌手が出るのには興味しんしん、しかし、どうやら各国のテレビ局は、オープニングセレモニーを全部放送しなかったか、しても解説者がぺちゃくちゃうるさくて演奏が聞こえなかったようです。カウフマンのファンは◯◯テレビのバカヤローとおかんむり.....YouTubeには、観客が撮影したものがいくつかアップされていますが、米粒のように小さくて.....しかし、世界は広い.....ヴァイオリンのデヴィッド・ギャレットのフェイスブックで「不運にもデヴィッドとヨナスのパフォーマンスは、完全には放送されなかったけど、中国のテレビからの完全版の録画が見られるよ。楽しんでね!」と紹介されていました。ちゃんと二人のアップもあります。解説(中国語)もちょっとで、許容の範囲ですが、邪魔なので映像をいただいて作り直しましたのでお楽しみ下さい。映像と音声を別のところからとって、「リップシンク」させました。リップシンクのリップシンクってことですね。



 ネット上に歌詞がありました....イタリア語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、英語のごちゃ混ぜ歌詞です。カウフマン、すごく頑張って歌っている感じでリップシンクには見えませんよ。
Una notte, under starry skies, Die Nacht der Träume, memories never die.
Una noche, under the worlds eyes, Cest bien la nuit de reve, the night the champions rise!
From North and South, Aus West und Ost, Venez les chants, Come the songs, comes the night!
Una notte, under starry skies, Die Nacht der Träume, when memories never die. Cest bien la nuit de reve, the night the champions rise!
Ellos son los campeones! Campeones, campeones! Los campeones!
Sie sind die Meister, sie sind die Besten, ils sont les meilleurs, these are the champions!
Loro sono i campioni! Campioni! Campioni! I campioni!
Under the eyes of the world!"

Loro sono i campioni, loro sono tutti campioni, campioni, loro sono loro sono i maestri, loro sono loro sono i maestri, i maestri.(2012.5.23追記)

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 欧州サッカーチャンピオンズリーグ決勝戦で、デヴィッド・ギャレット(David Garrett, 1981.9.4 アーヘン出身のアメリカ人)のヴァイオリンの伴奏で、ヨナス・カウフマンが、元気に歌いました。こういうことにうとくて「国歌を歌う」なんて書きましたが、「UEFAチャンピオンズリーグ・アンセム (UEFA Champions League Anthem) 」だそうです........短くてあっというまに終わりますが、これって一部か全部か...よくわかりません。YouTubeに中継がアップされると期待していましたが、未だに音声だけしか見つかりません。せっかくですから、写真をつけて作成しました。ありました。こちらで全体のオープニングセレモニーが見られます→Opening Champions League Munich...この映像は、全体のパフォーマンスが見られてきれいですけど、演奏者のアップが全くないので、声でカウフマンとわかるだけです。 私が作った動画は、やはり、最後のほんの一部でしたが、これだけの方が盛り上がる感じがします。



 UEFAチャンピオンズリーグ讃歌は、各国語があるそうですが、カウフマンが歌っているのは、イタリア語ですね。ローロ ソノとか カンピオーニだとかトゥッティとか歌ってますから。でもなんでイタリア語なんだろう.... 独仏英西伊、各国語まぜまぜ歌詞のようです。
 それから、カウフマンの歌は、ライヴではなく、健康上の理由で、前もって録音したものにリップシンクしたものだそうです。情報源はこちらの記事"New Champions League theme version"。それにしても "Nessun dorma"みたいにハイCがあるような難しい歌じゃないし、どうせマイクを使うのに、口パクって、どうなっているんでしょう。元気だけど、肝心の声がまだがらがら声とかでしょうか......だとすると、この録音は、一ヶ月くらい前に収録していたとうことなのかな... (2012.5.21記載)

関連記事:
「ヨナス・カウフマン Gala」が、グルベローヴァと「レオ・ヌッチGala」に化ける(2012.5.11/13 )
ヨナス・カウフマンのキャンセルの理由:メト/ボローニャ/バイエルン
ビデオ・メッセージ:ヨナス・カウフマンとヴィットリオ・グリゴーロ カウフマンのイタリア語....
ヴィットリオ・グリゴーロとヨナス・カウフマン比較記事 ☆ ついでにゲオルギューとカウフマン
チューリヒの三大若手テノール
ヨナス・カウフマンいかがでしたか? 

「ヨナス・カウフマン Gala」が、グルベローヴァと「レオ・ヌッチGala」に化ける(2012.5.11/13 ) ☆ 5/27コンサート延期 ☆ ROH「トロイ人」全公演降板 ☆ 6/10歌曲コンサートキャンセル☆ 5/30キャンセル狂騒曲終わり

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◎最後までしつこく残っていたミュンスターの「ネトレプコ&シュロット+カウフマン」の野外コンサート、やっとネトレプコのスケジュールから本日(5/30)カウフマンの名前が消えました。これで、カウフマンは、7月14日の野外コンサートまでゆっくり休養をすることになったようです。
 今回のキャンセル騒動で、改めてカウフマンのスケジュールを見て、とても見識のあるオペラ歌手とは思えない、芸術的動機とはかけ離れた稼げる時に稼いでおこうという態度がみえみえ....ポップスは歌っていないが、やっていることはポップス系歌手、つまりプロモーションコンサートに飛び回っている。ROHの「トロイ人」のリハーサルの間にコンサートを4回も組んでいるって、健康云々以前の問題です。金儲け主義のエージェントのいいなりになっちゃって....情けない...(2012.5.30)


◎もおぉぉ....このスレッドいつまで続くんでしょう。6月25〜7月11日までのベルリオーズの「Les Troyensトロイ人」の全公演キャンセルがROHから発表されました。"Jonas Kaufmann withdraws from Les Troyens/Tenor withdraws due to illness and Bryan Hymel takes over role of Enée." 理由は、4月末からの「感染症」の完全回復にはまだ数週間かかる見込みで、全舞台をつとめるには不安がある....ということです。代役のBryan Hymelがすでにリハーサルに入っているそうです。
 カウフマンは、「トロイ人」のリハーサル中にネトレプコ&シュロット夫婦のコンサート(6/2,6)と歌曲のソロコンサート(6/10)をスケジュールに入れています....(なんでこんなことすんのかな...だから金儲け主義って言われるんでしょうが....それでサッカーのセレモニー出演は無報酬なんて言い訳をしなくちゃならなくなるのよ!ネトレプコとは縁を切った方がいいんじゃないの。)....現時点で、これらのコンサートについての発表はありません。ネトレプコ&シュロット夫婦のコンサートは、マイクを使用するコンサートなので、また事前にリップシンクでやります...とか発表したりってことはまさかないでしょうね。
 しかし、「感染症」ってなんでしょね....声にかかわるものだと、咽頭炎、喉頭炎、気管支炎....それにしても一ヶ月も治癒しないってなんでしょう。肺炎、結核ってこともなくはない...マイコプラズマ肺炎とか結核も最近流行ってるし。もう、この際、医師の診断書を公開した方がいいんじゃないのかな。来日公演が次々キャンセルされたこと思いださせるような、キャンセル騒動ですね。

 カウフマンのホームページからROHの「トロイ人」は削除されましたが、コンサートはそのままです。「トロイ人」は初役だし、所詮主役は女二人だし、覚えるのも面倒だし....コンサートはちょっと歌うだけで実入りがいいし楽ちんだし....ということなんでしょうか.....つまり重症ではないということなので、よかったじゃないですか......( 2012.5.27)

カウフマンのスケジュール
☆4月23日 バーデンバーデン:歌曲リサイタル
★4月28日 NYメト:ワルキューレ
★5月4日 プエルトリコ:コンサート:San Juan, Puerto Rico
★5月7日 NYメト:ワルキューレ
★★5月11,13日 チューリッヒ:カウフマン・ガラ コンサート
☆5月19日 ミュンヘン:サッカーのオープニングセレモニー
★5月28日 ルツェルン:コンサート 延期
★6月2日 ミュンスター( ドイツ):ネトレプコ&シュロットとコンサート 5/30
★6月6日 ロンドンRoyal Albert Hall:ネトコ&シュロットとコンサート 5/28 6/1穴埋めはバルガス
★6月10日 ロンドンWigmore Hall :歌曲リサイタル 5/28発表 Due to illness, ...
★★★★★★6月25〜7月11日(6公演) ロンドンROH:オペラ「トロイ人」 5/27 ROH発表
☆7月14日 リンツ:野外コンサート
☆7月18日 ミュンヘン:歌曲リサイタル
☆7月22日 ロンドン:BBCプロムス「トロイ人」
☆7月29,31,8月3,5,8日 ザルツブルグ音楽祭:「ナクソス島のアリアドネ」
☆8月14,17,19,25日 ザルツブルグ音楽祭:「カルメン」
☆8月22日 スペイン:Festival Castell de Peralada 野外コンサート
☆8月29日 ルツェルン:「レクイエム」

(それにしてもあきれるようなスケジュール、借金でもあるの....って感じじゃないの....)


◎あらら....5月27日に予定していたルツェルンでのコンサートは、健康上の理由で10月28日(日)に延期されました。19日には、ミュンヘンのサッカー競技場アリアンツ・アレ-ナで、元気な姿を見せてくれたんですけど....どこがどう悪いんでしょう......回復が遅過ぎ....慢性的な持病でもあるのかしら....これ以上、キャンセルの話題は無しにしてほしいものです。(2012.5.25)

◎UEFAチャンピオンズリーグ・アンセムの記事はこちら→UEFAチャンピオンズリーグ決勝戦オープニングセレモニー(ミュンヘン 2012.5.19):ヨナス・カウフマンとデヴィッド・ギャレットの演奏(2012.5.24追記)

◎5月19日に開催されるバイエルン・ミュンヘンとチェルシーの欧州サッカーチャンピオンズリーグ決勝戦でヨナス・カウフマンが国歌UEFAチャンピオンズリーグ・アンセムを歌うそうです。完全に回復したということですね。(2012.5.18追記)

 いろいろキャンセル....ヨナス・カウフマン休養中。カウフマンはオファーをとりあえず全部受けてから選んでいる.....と分析している人もいますが、確かに自分のキャリアにとって大切なものははずさないようにしている感じはします。最近のインタビューで、「ウィルスがうつるからファンサービスはしません....僕が病気になってキャンセルするよりいいでしょ」なんて、オペラファンをばい菌扱いしたような言動をした矢先のキャンセル騒動なのがなんとも痛い。メトの「ワルキューレ」を2公演ともキャンセルしたことは、あちこちで話題になっていますが、オペラはカヴァーもいますし、代役を立てるのは日常茶飯事、それより、長年お世話になったチューリッヒ歌劇場の「カウフマン・ガラ」をキャンセルしたということは、ちょっと風邪を引いたという程度の体調不良とは思えません......4月23日のコンサートを最後に、4月28日のメト「ワルキューレ」、5月4日のプエルトリコでのジョイントコンサート、5月7日のメト「ワルキューレ」、5月11,13日のチューリッヒ歌劇場の「カウフマン・ガラ」を体調不良でキャンセル、5月27日のルツェルンでのソロコンサートで体調回復予定のようです。

 カウフマンが、「また」キャンセルという記事を目にして思うことは、最盛期のビリャソンと同じで、オペラの公演自体は多くないが、その合間にコンサート活動をしていて、休養する暇がないということです。しかし、結果的に、こうやって一ヶ月の長期休暇をちゃんととっちゃてるんですけどね。
  カウフマンの公演に関しては、公式サイトよりもマリオンがやっている素晴らしい非公式サイトがありますが、キャンセルしたものもちゃんと記録として残して欲しいですね。消されると調べる手間が.....

 さて、「カウフマン・ガラ」ですが、チューリッヒ歌劇場もペレイラ氏最後のシーズンなので、そういうこともあっての企画だったんだと思います。なにしろ地元のミュンヘンでは冷遇どころか見向きもされなかったのをアンサンブルとして雇ってくれたのがペレイラ氏ですから。過去記事「チューリヒ歌劇場2011/2012シーズンの詳細日程発表(2011.7.5)」で「カウフマン・ガラって、すごい企画ですね。他の大劇場での仕事が忙しいけど、今あるのは、チューリヒのお陰ということで二日限りの大サービス、カウフマンファンは見逃せません。なにしろ1日で、3役が見られちゃう.....」なんて書いています。そうなんです....「カウフマン・ガラ」では、「ボエーム」「カルメン」「トスカ」のハイライトをやる予定で、ミミとトスカは誰だったのか情報を持っていませんが、カルメンはAnita Rachvelishviliの予定でした。
 コンサートの場合、普通は払い戻しで終わりですが、劇場主催のコンサートですから、11日はエディタ・グルベローヴァ・ガラ(リサイタル)、13日は「ヌッチ・ガラ」に変更、もちろん払い戻しにも応じたそうですけど。
 ★ヌッチ・ガラのプログラム:
椿姫:2幕エヴァ・メイとピョートル・ベチャラ、
リゴレット:2幕セン・グオとベチャラ、
シモン・ボッカネグラ:3幕イザベラ・レイ、リカルド・ザネッラート、ファビオ・サルトリ


 苦肉の策とはいえ、なかなかのもんですよね.....11日もグルベローヴァのリサイタルではなく、「ヌッチ・ガラ」の方が妥当ですが、その日はヌッチがDOBで「二人のフォスカリ(演奏会形式)」だったので、ダメ、ピョートル・ベチャラは、5月17日からの「仮面舞踏会」出演なので、リハーサルの合間に出演できたんですね。さすがペレイラ氏!

 第2ブログで、2008年に「チューリッヒの若手三大テノール」という記事を書いたことがありますが、参考までにカウフマン、グリゴーロ、ベチャラの2012年1月からのスケジュールを見てみましょうか....差があって面白いです。


Jonas Kaufmann(1969生)
1月8日:コンサート:プラグ
1月15〜29日 ドン・カルロ:ミュンヘン
2月1, 4, 7,10日 ファウスト:ウィーン
2月13日 歌曲:ウィーン
2月15日 歌曲:ウィーン
2月17日 歌曲:グラーツ 
2月20日 歌曲:シャンゼリセ 
2月29日 コンサート:カタール 
3月7日 コンサート:バーミンガム
3月12日 コンサート:シャンゼリゼ
3月15日 コンサート:ミュンヘン
3月18日 コンサート:ウィーン 
3月25日 コンサート:バーデンバーデン
3月31日 カルメン:ザルツブルグ
4月3,6日 ザルツブルグ 大地の歌
4月9日 カルメン:ザルツブルグ
4月15日 コンサート:ブリュッセル
4月21日 コンサート形式カルメン:ベルリン
4月23日 歌曲:バーデンバーデン
4月28日 ワルキューレ:NYメト
5月4日 コンサート:San Juan, Puerto Rico
5月7日 ワルキューレ:NYメト
5月11,13日 コンサート:チューリッヒ


☆オペラ公演(11/13)
 Don Carlo,Faust,Carmen,Walküre
☆コンサート(15/18)


今後の予定:5月27日 コンサート
5/19サッカー:ミュンヘン

Vittorio Grigolo(1977.2.19生)
1月16日 コンサート:シャンゼリゼ 
1月23,25日 椿姫:ROH
1月29/2月3日 椿姫:DOB 
3月24日Carmen NebelショーTV:ゲスト出演 
3月30日 リゴレット:ROH
4月2,7,11,14 ,17,21日 リゴレット:ROH 
4月15日 Olivier Awards Presenter(ROH)
4月30日“Dancing With the Stars”ロス
5月7日Met Costume Gala NY


☆オペラ(10/11)  椿姫、リゴレット
☆コンサート(1)
☆イベント(4)

今後の予定:6月5日 コンサート開始

余裕のスケジュール、「休養が大切」を実践。5月6〜6月9日の「Poliutoポリウート」をキャンセルしたのはそのためもあるのか? どうやらローマでレコーディング中のようです。

Piotr Beczala(1966生)
1月27,30日 リゴレット:パリ
2月1〜23日 リゴレット:パリ
3月26,30日 マノン:NYメト
4月3〜23日 マノン:NYメト
4月28日 リサイタル:サンタモニカ
5月7日 コンサート:チューリッヒ
5月11日 ヌッチ・ガラ:チューリッヒ

☆オペラ(18/19)
 リゴレット、マノン
☆コンサート(2 +1)

今後の予定
5月17〜31日 仮面舞踏会:チューリッヒ

余裕のスケジュールに見えるが、けっこう過密。しかし、ほとんどオペラ公演なので、一カ所に留まっている時間が長いため、コンサートであっちこっち行くよりは体調管理がし易いと思う。
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トリノから「(世界同時)中継チェネレントラ」(RaiUno 6/3,4):ドン・マニフィコにルッジェーロ・ライモンディ?! ( 2012.6.3 /4)

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◎RaiUnoの放送の録画が見られます。コメントにリンク先がありますので興味のある方は、ダウンロードしてお楽しみ下さい。オペラを知らない人でも吃驚仰天しないようなディズニー風の美しい「チェネレントラ」に仕上がっています。(2012.6.6)

◎悪いニュース...ライモンディがリハーサル中の事故で、出演が怪しいようです。ギリギリの出演不可は、2000年の「椿姫」の時と同じ...今のところ誰が代わりかは分りません。Carlo Leporeに代わりました。(2012.6.1)

◎放送は数日後に迫っていますが、今回は2010年の「リゴレット」と違って、全く写真とかインタビューとかが出てきません.....従って、ルッジェーロ・ライモンディに関しても本当に出るのかどうか確信がありません。主役のアンジェリーナもいつのまにかケテワン・ケモクリーゼからレナ・ベルキナLena Belkina(ウクライナ人)に代わっていました。宣伝用ビデオでもキャストは発表されていません。
 そう、そう、レナ・ベルキナは2013年10月に新国の「フィガロの結婚」でケルビーノを歌うそうです。


(2012.5.31追記)
☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

以下2012.5.12記載
★1992Roma トスカ★2000Parigi 椿姫★2010Mantova リゴレット★2012Torino チェネレントラ

 2010年9月の「マントヴァでのリゴレット」の記憶もまだ新しい.....まだ世界各地の映画館で上映中.....なのに、来月というかもう数日後にはトリノで同様の企画で「チェネレントラ」をやるそうです。トリノで「チェネレントラ」という話しは、すでに「リゴレット」の時に、本当は「チェネレントラ」を先にやるつもりだったが、予算の関係で....みたいな話しがあったんですが、このアンドレア・アンダーマンの世界同時中継「再現◯◯」は、だいたい10年スパンなので、まだ先だと思っていました。
 そろそろやるらしいということを目にしたのが、4月2日頃でしたが、「チェネレントラ」だとドミンゴはなに?という話題になっていましたし、ガセかな...と。
 しかし、ここにきて、急に発表されて吃驚です。恐らく公式な第一報は5月7日で以下のことが発表されました。

・制作:Raiと Rada Film
・放送日程:6月3日(20:30〜 と23:30〜)、4日(20:30〜)
・指揮:ジャンルイージ・ジェルメッティRAI国立交響楽団(Orchestra Sinfonica Nazionale della RAI)
・演出:カルロ・ヴェロドーネCarlo Verdone


 一番知りたいのはキャストですが、トップシークレット?だそうで、発表されませんでした。このとき、唯一情報が漏れたのがルッジェーロ・ライモンディがドン・マニフィコ(シンデレラの継父).....この時点で発表しないって.....数年前には、ドン・ラミロには、フローレスという話しもありましたが.......いずれにせよ、これが1992年ローマの「トスカ」ではじまった、アンドレア・アンダーマン最後の企画になるんでしょう。
cenerentola-un-film-in-diretta.jpg
↓撮影場所:詳細は下の写真からリンクtorino_cenerentola.jpg

 トップシークレットといいながらすでに主要キャストがネット上で見られます。どの程度信憑性があるのか分かりませんが、多分、正しいのではないかと思います。

★チェネレントラ(La Cenerentola)キャスト:
Cenerentola(アンジェリーナ):ケテワン・ケモクリーゼ Ketevan Kemoklidze
 1982年グルジア生まれの美人メゾソプラノ、ドミンゴの推薦 5/31に代わっているのに気づいた...
Cenerentola(アンジェリーナ):レナ・ベルキナ Lena Belkina
 ウクライナ(生まれたのはウズベキスタンのタシュケント)のメゾ、美人というよりは可愛い系
Don Ramiro(王子):エドガルド・ロチャ Edgardo Rocha 
 1983年ウルグアイ生まれ、Salvatore Fisichella,Rockwell Blake,Alessandro Corbelliの指導を受ける
Alidoro(哲学者):ロレンツォ・レガッツォ Lorenzo Regazzo
  ヴェネツィア出身、ロッシーニ歌いとしても定評がある
Dandini(王子の従者):シモーネ・アルベルギーニSimone Alberghini
 ボローニャ出身、ロッシーニ歌いとしても定評がある
Don Manifico(継父);ルッジェーロ・ライモンディRuggero Raimondi Carlo Leporeb
 ドン・マニフィコは、録音はあるが初役
Clorinda(姉 クロリンダ):Anna Kasyan アルメニア出身のソプラノ
Tisbe (姉 ティスベ):Annunziata Vestri イタリア出身のメゾ
*漏れ情報の記事:Indiscrezioni su “La Cenerentola” prodotta da Andermann

 なかなかいいキャストですが、問題はライモンディかな.....引退はしていませんが、引退状態みたいなものなんで、早口アリアとかレチタティーヴォとか....(.かなりカットされるのではという噂もありますけど).....ドン・マニフィコはきついのでは、哲学者の方がちょい役なんでレガッツォと代わった方が.....レガッツォって、ブッフォ系はどうなんだろう.....まあ見た目はライモンディのまま父は良さそうだけど.....やっぱり年には勝てない.....私自身が最近つくづく思いますから......ドミンゴと同年齢ですが、ドミンゴは特別ですね....

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新国「ローエングリン」フォークト最高!(2012.6.13) ☆ フォークトのインタビュー(朝日新聞):ただいま 新国「ローエングリン」リハーサル中(2012.5.22)

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 クラウス・フロリアン・フォークトの白鳥の騎士が、交流、巡回ブログで100%好評、ほんとに?と思いながらも楽しみに、期待して行ってきました。劇場の前に「チケット求む」の人がいましたから平日の午後5時という変な時間の開幕なのに完売だったようです。
 フォークトのローエングリンは、第一声から「名乗りの歌」まで、完璧だったと思います。5年前の「ホフマン物語」では、スマートでハンサムということはよく覚えていますが、どんな声だったのか印象に残っていません。しかし、今回のローエングリンは今でもフォークトの声が頭の中で聞こえています。声よし、歌よし、姿よし、で3拍子揃った正に白鳥の騎士(ペンギンとかガチョウとかいろいろいますからね)で、こんなのめったに見られるものではないと思います。「現代最高のローエングリン、フォークト」は誇大広告ではありませんでした。



 衣装が、特に合唱団のが、なんなの?でしたし、わけの分からないものが天井から降りて来たりしましたが、「大工のローエングリン」とか「ねずみのローエングリン」に比べればまし......1幕でエルザの首の後ろの枕のようなものが気になりましたが、知人と検討した結果、あれは「重荷」ということで落ち着きました。ローエングリンの衣装は、デフォルメされていましたが、白が基調で頭に変なかぶりものもなく、フォークトの背格好(身長186㎝)、雰囲気もペーター・ホフマンを彷彿とさせますし、髪型が同じでしたし(意図的に?).....なんかペーター・ホフマン追悼公演のように思えました。フォークトは、ある記事によればペーター・ホフマンの舞台をオケピットでホルンを吹きなが見ていて憧れていたそうですし......(参照:edcさんの記事「ドイツの新白鳥の騎士」)
 フォークトは、42才ですからもう青年というのにはほど遠い年齢ですが、声は、非常に若々しく澄んで清らかで繊細ながらも合唱、分厚いオーケストラを突き抜ける力強さもあって、しかも安定していて、最後の名乗りの歌「In fernem Land」は、本当にすばらしかったです。幕間の休憩が40分が2回でしたが、あれだけ破綻なく歌うには、長い休憩が必要なんだ...と改めて認識しました。
 エルザのメルベートの歌唱も安定していて、夢見る乙女から疑惑に支配されて行く心の変化を表現していましたし、オルトルートは常にふてぶてしく(カーテンコールでも)、テルラムントのグロホスキーは見た目が貧相でいかにもオルトルートにひきづられている感じですが歌は満足のいくものでしたし、グロイズベックは1979年生まれの若いバスですが、見た目も歌唱も堂々と威厳があり国王にふさわしく、伝令の萩原 潤さんは、声もよく出ていて大健闘でした。(1階3列で鑑賞)

ローエングリン [New Production]
2011/2012シーズン:6月1,4,7,10,13,16日
Richard Wagner : Lohengrin
リヒャルト・ワーグナー/全3幕
スタッフ
指揮:ペーター・シュナイダー
演出:マティアス・フォン・シュテークマン
美術・衣裳:ロザリエ
照明:グイド・ペツォルト
キャスト
ハインリヒ国王:ギュンター・グロイスベック
ローエングリン:クラウス・フロリアン・フォークト
エルザ:リカルダ・メルベート
テルラムント:ゲルト・グロホフスキー
オルトルート:スサネ・レースマーク
王の伝令:萩原 潤
ブラバントの貴族:
  大槻孝志/羽山晃生/小林由樹/長谷川 顯

新国立劇場合唱団
東京フィルハーモニー交響楽団

nntt_Lohengrin_profile.txt

関連記事:
新国再演《ホフマン物語》 フォークト出演
新国《チェネレントラ》2009.6.16 ギュンター・グロイスベック出演

フォークトのインタビュー(朝日新聞):ただいま 新国「ローエングリン」リハーサル中 (2012.5.22)

 新国「ローエングリン」に出演するために来日中のクラウス・フローリアン・フォークト(klaus Florian Vogt)のインタビュー記事、インタビューは、あちらドイツ北部のブルンスビュッテルで行われたものです。右の映像をクリックすると読めるくらいに拡大します。
 シーズン発表通りには、なかなかいかないのがオペラなので、フォークトが契約通り来てくれて嬉しいです。前回は、2005年の「ホフマン物語」、スマートでかっこいい...というのが第一印象のテノールでほとんど知られていませんでしたが、その時から、「今後、ローエングリン、ジークムントとして期待されている」とのことでした。ドイツ人ということだけで、そう言われるんでしょうが、現実のものとなったんですね。体調をくずさないようにお願いします。私も行きますからね。

 新国のホームページにもインタビューの動画がアップされています。「合唱が素晴らしい...」と言ってくれてます....とても謙虚な感じがいいですね。


Das Opernglas 2011.8/9月号インタビュー記事の写真

関連記事:新国再演《ホフマン物語》

(メモ)ニキーチン両胸にナチス関連シンボルの刺青 バイロイト音楽祭「オランダ人」クビ に

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◎「オランダ人」の指揮者ティーレマンのこの件でのインタビューが掲載されています。Bayreuth-Dirigent zu Nikitins Nazi-Tattoo 「鉤十字はバイロイトだけじゃなくてどこでもダメ、オーストラリアのような遠い国でもね。舞台でもナチの軍服なんかも見たくないね。まったくうんざりだよ....」みたいなことを言ってます。バイロイト側は本人に確認したけど、事実を言わなかったので、バイロイトは騙されたかたちみたい.....(追記)

 今までオペラ歌手さんのキャンセルについていろいろとりあげてきましたが、前代未聞の降板(させられ)事件。バイロイト音楽祭のタイトル・ロールに抜擢され注目されたために起こったわけですが、今後何ごともなく劇場・観客に受け入れられるのかどうか.....経緯を残しておきます。

 2012年バイロイト音楽祭が7月25日からはじまります。まず新制作の「さまよえるオランダ人」、タイトルロールは、ロシア人バス・バリトンのエフゲニー・ニキーチン Evgeny Nikitin(1973 - ロシアのムルマンスク生まれ)、なんでもバイロイト初のロシア人歌手(そうなの?意外です...)ということで大いに注目されていたのですが、7月21日突然の降板、主催者と歌手双方話し合いの上の決定のようですが、つまりはクビです。理由は、めちゃくちゃいっぱいある刺青の図柄の一つ(右胸)が、今は上から塗りつぶして分かりませんが、ナチスのシンボルの鉤十字ハーケンクロイツだったのがばれちゃったからなんです。しかし、開幕四日前ですよ、バイロイト側は、晴天のへきれき大慌てだったでしょうね。それまでは、ニキーチンの刺青まで宣伝に利用していた節もあるようですから。クビになるまでの経緯を時系列で
1.2年前の夏にカタリナ・ワーグナーとクリスチャン・ティーレマンからオーディションに招待される
2.バイロイトではじめてのロシア人歌手として「オランダ人」出演決定 (全身の刺青をメイクさんに写真で提出)
3.7月20日、ドイツ公共放送ZDFが、文化番組「aspekte」でニキーチンのインタビュー番組"Heavy Metal in Bayreuth"を放送 (問題になった映像は、2008年のロシアのテレビ番組からの抜粋)
4.7月21日、バイロイトが、ニキーチンを降ろした事を発表、理由は、上塗り(なぜ上塗りなのかは不明)したとは言えナチスのシンボルの刺青をしていたこと
5.ニキーチンは、ナチスのシンパとかネオ・ナチとかを否定、若気の至り、無知でした....と弁解


nikitin_tattoos.jpgnikitin_tattoos2.jpg

 左が問題の右胸のデザイン、今現在は右の写真のようになっています。いつどういう理由で塗りつぶしたのかは、分かりませんが、派手にしたかっただけのような感じもします。「若気のいたり無知だった...」というなら消すべきではないでしょうか。真ん中の↑マーク(ルーン文字で"Tyr"北欧神話の軍神)が増えていますし.....
 左胸の三角の中に鳥の足のようなマークはなんなのか気になりますが、どうやらこれもナチス関連のマークで、レーベンスボルン(生命の泉協会、最終的には碧眼金髪の赤ちゃんをさらったりした)がシンボルに使っていたルーン文字だそうです。
 つまりナチスもニキーチンもルーン文字に惹かれたってことで、それでニキーチンがナチスってことにはならないのですが......ドイツでは、特にハーケンクロイツは法律で禁止されているそうですから.....いずれにしろ、今回のスキャンダル、バイロイトにもニキーチンにも大きなダメージだと思います。

 私は、今回の降板劇で、ニキーチンが全身刺青男だと知ったわけですが、不気味な刺青に吃驚というかあきれてます。1989〜1991年頃に刺青を入れたそうですが、手の指の第2関節まで入れちゃって.....これってナチスと関係なくオペラ歌手としてどうなんだろう.......オペラで刺青があっていい役なんてあるの? オペラ歌手を志した時点で、刺青は消さないと劇場にも観客にも迷惑でしょう。見えない部分にちょっとだけにしておけばいいものを.....やり過ぎ.....舞台写真をいろいろ見ましたが、明らかに刺青隠しのための手袋もありますよ。これだけ目立つ刺青だと、今までもお断りの劇場もあったのではないかな.....結果的に刺青なんかでチャンスを棒に振って悔しくないのかな.....オペラ大好きじゃなくて、刺青大好きみたい(増えてるし、自慢してるし).....オペラ歌手は「歌」で勝負なんていうのとは次元が違うと思います。

参考記事のリンク:
Swastika tattoo prompts Bayreuth star to cancel 詳しい
telegraph SS Lebensborn projectについての記載
news.com.au  Nikitin's tattoos include the so-called "Tyr" and life runes worn by members and volunteers of the Nazi's SS.
Evgeny Nikitin is Bayreuth's new Dutchman Nikitin: "My body is my passport" クビになるまえ7/13のインタビュー記事
Symbolic weight 2008年にニキーチンがロシアの雑誌に書いたエッセイの英訳有り、彼のメンタリティーがわかる(全く共感できない)...刺青のことも書いてある....

ジョセフ・カレヤのニューアルバムから「アリヴェデルチ ローマ」

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 ジョセフ・カレヤ Joseph Calleja のニューアルバムがリリースされたようです。"Be My Love: A Tribute to Mario Lanza"というタイトルなので、マリオ・ランツァのレパートリーを網羅しているんでしょうね。イタリアのRadio3のLa Barcaccia で紹介していましたので、"Arrivederci Roma"の部分だけアップします。
iPhone/iPad用
★カレヤ:La Barcaccia 2012.10.8放送から
iPhone/iPad用
★グリゴーロ:CD"Arrivederci"から
 マリオ・ランツァが英語で歌ったのかどうか知りませんが、なぜわざわざ英語バージョンなのか、カレヤはマルタ出身ですが、マルタって公用語が英語(イタリア語だと思っていましたが)だそうですけど.....ヴィットリオ・グリゴーロの昨年発売のアルバム "Arrivederci" で "Arrivederci Roma"を歌っているから英語にしたのかな....."La Barcaccia"の二人も「英語だ...イタリア語じゃない」とつぶやいていますよ。アリヴェデルチはグリゴーロが歌っているね...と言ってますので、ついでにグリゴーロの"Arrivederci Roma"もアップします。この番組では続いてカヴァレリア・ルスティカーナの" "Mamma, quel vino è generoso"も流しています....こちらで、"LA BARCACCIA del 08/10/2012"をクリックすると聞けます。

 ジョセフ・カレヤは、評判も上々のようですし、今後更に活躍する若手テノールの一人だと思います。カレヤの声も歌もなんかもっさりしていて、私は魅力を感じませんが、安定していて良いテノールだと思います。
 ドイツのジャーナリストが「最近のテノールのCD事情」というタイトルでこんなことを書いています。

『ビラゾンの休業で漁夫の利を得たのが、マルタ人のヨゼフ・カレヤとかポーランド人のピョートル・ベチャラのような二番手のなかなか良い歌手だ。もちろん声はすばらしいのだが、彼らには舞台でのカリスマ性がない。舞台ではビラゾンの代役を延々と務 めて彼を凌駕したけれど、カレヤはデッカからの二枚(2004年と2006年)のレコードのあとお呼びがかからないし、ベチャラは小レーベルのオルフェオで素敵なCDを複数出したに過 ぎない。』

 これは2010年の記事ですが、カレヤは、ここにきてデッカから2011年、2012年と立て続けにCDを出しています。カレヤとグリゴーロは、コンサートで一緒に歌ったこともあるんですよ。レパートリーもかぶっていますが、カレヤの方が日本も含めてあっちこっちでいろいろ歌っているので、知名度が高いかも.....グリゴーロより働き者だし(グリゴーロは、シーズン発表で決まっていたオペラをなぜか次々キャンセル).....

関連記事:
ビリャソン 2度目の休業★☆ドミンゴのOperalia'99 テノール三羽烏-Villazon-filianoti- Calleja
最近のテノールのCD事情(カウフマン、ベチャラ、カレヤ、グリゴーロ)
新国《愛の妙薬》2010.4.15
プッチーニ・ガラコンサート: Teatro Pérez Galdós(2008.12.16〜)
ボローニャ歌劇場《一日だけの王様 un giorno di regno》イヴレーア伯爵 (2001.4.4〜22)
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